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Epilogue3

耳元で吐き出される熱い吐息と Jo Malone Londonの香りに 押しつぶされそうだ。 奈義の熱い舌がなぞったところが じんじん痺れていく。 「アっ!......あぁッ!」 肌の柔い部分だけを齧(かじ)られ その度に紫音の腰は 熱く疼くペニスを弾かせた。 どこもかしこも敏感になっている紫音に 奈義は「エロすぎ」と笑うと、 乱暴に自身のTシャツを脱ぎ捨てて 髪を掻き上げる。 「しっかり舐めろよ?」 奈義は意地悪そうに八重歯を見せ、 右手の中指と薬指を強引に紫音の口の中へ捩じ込んだ。 Jo Maloneの香りが鼻の先まで近くなる。 「ンぐ......ッ!! あ、あふぅ......ッ!」 2本の指で口腔内を犯された紫音は、 奈義の太くて大きな指を ねっとりと舐め上げて 恍惚の表情に満ちていく。 「いい顔......たまんねぇ。 ......しーちゃん、めちゃくちゃ綺麗。」 そう言って奈義は ひとしきり紫音の口を弄ぶと 唐突に中指を窄まった蜜穴へ押し込んだ。 「あぁぁッ!」 期待でヒクついている蜜穴は 唾液で濡らされた指をすんなり受け入れる。 たちまち、紫音の色の白いペニスからは 堪えきれない蜜が溢れ始めた 奈義はその蜜を絡め取って 2本目の指を紫音の中へ捩じ込むと 激しく中をかき混ぜた。 「あぁッ......! あっあっ!!」 前立腺をグイグイ押されて 紫音は顎を反らして快感に悶えた。 ーーでも、 こんなんじゃ、足りない。 「随分やらしくなってんなぁ、腹立つ。 ......もう入るんじゃねぇか?」 奈義はそう言って荒っぽく指を引き抜き 脇のキャビネットからコンドームを取り出して 重そうなジーンズを脱ぎ捨てた。 「......やッべぇ。まともに付けてらんねぇ〜。」 獣のように息を荒げている奈義が 珍しくコンドームの装着に手間取っているので 紫音は痺れを切らして「まだかよヘタクソ。」と毒づくと、 「うっせぇ! 久々なんだよ!! クソッタレ!!」 と、顔面に唾を浴びせられた。 「............ひ、久々!?」 ーー奈義が!? 「悪いかよ!! お前以外抱く気にならなくなったんだよ!!」 ............!! 「......何か......だっさ......。」 紫音は、思わぬ返答に呆れつつも 今まで何を代わりにしても満たされなかったものが満たされて行くのを感じていた。 「......。」 奈義は決まりが悪そうに口を尖らせたが 紫音は嬉しくて今にも顔がにやけそうだった。 ゆっくり体を起こすと奈義の股座に顔を寄せ、 パクッと口を開き 「付けてやるよ。ゴム寄越して。」 と、奈義の手からコンドームを奪って唇で咥え、熱く激ったペニスに押し当てた。 そのまま唇の圧で滑らせるようにコンドームを広げていく。 「うわっ、やべ、エロ......。爆発しそ。」 紫音は恥ずかしくて堪らなかったが、 上目遣いでペニスを根本まで咥え込みながら 彼の体毛へ顔を埋めていく。 ゴムと、精液と、汗とボディソープの匂いで 鼻腔内を犯され、気がつくと期待して蜜を垂らす自身のペニスへ手を伸ばしていた。 そのまま後ろの窄まりへ先走りを塗り込む。 熱く激った肉棒を吐き出すのが勿体無くて ゆるゆると愛撫を続けていると 「おいおい、調子にのんなよ。」 と、突然肩を押し戻されて、 そのままベッドになぎ倒された。 先走りでぬらりと湿ったアナルへ 奈義の猛ったペニスが押し当てられる。 「ーーー!!」 ーーあ............来る......ッ!! そう思った瞬間に圧倒的な質量のものが メリメリと肉壁を押しのけて紫音を貫いた。 「痛ッ......あぁぁぁぁッ!!」 ーーあぁ!! 凄い!! 息も引き攣るような、あまりの衝撃に 紫音は奈義の背中にしがみつき 爪を立てた。 「......クッソ......! そんな顔も...ッあいつに 見せてたのか......ッ!!......イライラすんなぁ!!」 紫音の太ももを鷲掴みにして 突き上げながら奈義は嫉妬を露わにする。 「オレの紫音......オレの紫音なのに......!!」 今まで、 苛立ちとしてぶつけられていた嫉妬心を 初めて真正面からぶつけられる。 紫音はその心地よさに、 涙が溢れるのを堪える事が出来なかった。 「あ゛ッあ゛ッ! してッ......!  な、ぎの......にッ......してぇぇ......ッッ!!」 激しく揺さぶられて、 涙も鼻水も涎も精液も、 全部がいっぱいになってこぼれていく。 ーーくそっ! くそっ! さっきまで誠一郎に嫉妬して ベソかいてたクセに!! そう心の中で強がっても...... 「......すきっ!......好きぃ! アッ、あぁ! なぎ......好き......ッ!!」 口をついて出てくるのは、 どうしようもなく押し込めて 行き場を無くしていた気持ちばかり。 紫音は、悔し紛れに しがみついた奈義の首筋を引き寄せて 思い切り噛みついた。   「痛ッてぇ! 何すんだ紫音!」 奈義が睨め付けて来たが、 構わず紫音は首筋に噛みついたまま、 腰に足も絡めて最奥へ導く。 「ん゛ッん〜!!」 ーー俺の奈義! 俺の奈義だから! 「痛ッてぇって!!」 さすがに堪えきれなかったのか、 奈義が紫音の体を離すと、ワイシャツの襟でギリギリ隠れるくらいの首筋に、くっきり紫音の歯形が付いていた。 紫音は鼻をすすって 満足そうに口元を緩めた。 「てめぇ、覚悟しとけよ?」 奈義の口の端がきゅっと上がり 左の八重歯がのぞく。 「ーー来いよ。」 紫音は2人が繋がっている場所を するりと指でなぞった。 奈義の目が野獣のように光るーー! ーーバチュンッッ!! 肌がぶつかる湿った音がして 奈義のペニスが紫音の最奥を一突きにした。 「ーーあ゛ぁぁッ!」 紫音の喉から殆ど叫び声のような 嬌声がこぼれる。 奈義は、容赦なく突き上げながら、 紫音の足を肩に掛け高く持ち上げ、 更に奥の奥へペニスを捻り込んでいった。 「やっ! ヤぁッ! おく......すぎるッ!」 「おいおい、早速イヤじゃねぇよ。 テメェが煽ったんだぞ。」 覆い被さる奈義が、頭の上から 「イイって言えよ。」 と囁くと、紫音の中に僅かに残った 恥も、プライドも、強がりも、 全部溶けて流れて、快感だけが全身を駆け抜けた。 「あ゛ぁッ! イイ!......気持ち、いい!!」 素直に口にしてみると、それはまるで 自分自身を解き放つ催淫剤のようで 「......いいねぇ、そそる。」 「もっ,とぉ......! なぎッ!......あぁっ!」 際限なく快感と刺激を求める。 逃げられない体勢で 激しく結腸を抉られて、 アナルがめくれてしまいそうだ。 「あたま......ッ!......おかしく、なる!!」 紫音が頭を振り乱すと 「なっちまえ......!」 と奈義が低く唸るように促す。 体が硬直する 頭が真っ白になる 奥から快感が駆け上がる......! 「あッ......あぁッ......!! なぎぃ! イクッ! イク......イクッ!!」 「......イケよ......! ケツだけでイッちまえ! ......チンコ、バカになっちまえ!!」 「............あぁぁッ!!」 紫音は顎を反らし、 呼吸も声も掠れた絶頂を迎えた。 飛び出した精液が、 紫音の薄い体毛に飛び散る。 「あっ!......ダメッ!......イッてるからぁ! ......あぁっ!......とまんなッ......!!」 「紫音!......オレも、イク!!」 奈義もまた、余裕のない息を漏らすと、 紫音の最奥に自身の欲望を打ち込んだ。 びゅるびゅると、紫音のペニスから 透明な液体が出続ける。 「......ハハッ......潮吹いてんじゃん......!」 「......や、言うなッ......!」 「......あー可愛い......。」 奈義は満足そうに八重歯を見せた。 荒い呼吸で2人は重なり合う。 芯の痺れるような余韻が気持ちよかった。 ーーー しばらく呼吸を整えると、 奈義はズルンとペニスを引き抜き 紫音を優しく拭き上げてから、 優しく啄(ついば)むだけのキスを落とした。 ーーこんなの、 奈義がしてくれるなんて初めてだ......。 前髪をなでられ、うっとり目を閉じる。 奈義が入っていた蜜穴が 心地よい違和感に包まれていた。 奈義は自身の処理も淡々と終えて 紫音を撫でながら煙草に火をつける。 Marlboroの香りがクンッと立ち昇った。 「......なぁ、奈義。」 セミダブルのベッドにぴったり並んで 奈義に擦り寄る。 「......んぁ?」 フゥっと煙が靡いた。 「奈義って香水付ける時、 コンバイニングしてる......?」 「お、すげぇじゃん! 気付いたの紫音が初めてだわ。」 ーー......誠一郎の入れ知恵だけど ......というのは黙っておこう。 「1つは......これだろ?」 そう言って紫音はヘッドボードに置いてある Jo Malone Londonの ウッドセージ&シーソルトに手を伸ばした。 「あと1つって何?」 ヘッドボードには、 他にそれらしきボトルはない。 奈義を見上げると、それはもう嬉しそうに 口の端を吊り上げていた。 「......内緒。」 「何で。」 たずねても、 奈義はニヤニヤするばかりで答えない。 「......何でだよ!」 もう一度迫ると、フゥっと煙を顔に 吹きかけられた。 「ゴホッ! 何すん......!」 「そうやって。」 「......?」 「ずっとオレの事考えてろよ。」 「............。」 ーーんだとこのヤロウ。 妙に嬉しそうな顔に腹が立つ。 紫音は、スカしてニヤついている 奈義を睨みつけて、 肩に回された腕に噛みついてやった。 「ーーだぁぁッ!......おまっ! 本気で噛むヤツがあるかッ!!」 ーーいい気味だ! 「バーーーーカ。」 そう言って、 齧られた所を摩る奈義を見ながら、 紫音はこれまでになく満ち足りていた。 けれど、 満たされれば満たされるほど、 のっそりと不安が襲う。 胸に沈んで離れない 小さいけれど、底の見えない穴。 紫音は、すっかり暗くなってしまった部屋に 光を滲ませている間接照明を見ながら ポツリと呟いた。 「......奈義?」 呼び止めると振り返る愛しい人。 「ん?」 いつの間にかねじ消された 最後の紫煙が奈義の肩越しに靡いて消える。 「......。」 「何だよ......そんな顔して。」 紫音は下唇を舐めると、 震える唇を一度きゅっと結んで、 消え入るような声をだした。 「............朝まで、側に居てくれるよな?」 「......!」 奈義は僅かに目を見開いて動きを止めた。 そして、静かに紫音を抱き寄せる。 その顔は、 意地悪な顔でもスカした顔でもなかった。 「出てけっつわれても、どこも行かねぇよ。」 誠一郎とは違う 低くて何処か危険な響きのテノール。 そのたった一言。 それだけで、 底の見えない穴が埋まって行くのを 紫音は噛み締めるように感じていた。 遠いあの日。 わざと転んだ君に差し伸ばした手。 あの日掴んだ君の腕に 今は、抱きしめられている。 『帰ろう、なっちゃん!』 『うん!しーちゃん待って!』 奈義の顔が近付いて 鼻と鼻が触れ合う。 唇が、重なる前にそっと紫音は呟いた。 「......I'm home, Nagi.」 奈義は笑いながら返す。 「お帰り、紫音。」 ーーーENDーーー ご拝読感謝いたします(*^^*)

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