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Epilogue2

「んッ......ふぅ......ッ!」 奈義は部屋のドアが閉まるや否や 紫音の唇を塞いでベッドになぎ倒した。 「ちょっと!......待って!!」 と言う紫音を制して 何度も何度も舌を絡ませ 湿った音が脳を蕩かした。 「待って」の言葉とは裏腹に みるみる上気して甘い息を漏らす紫音に、 奈義は堪らなく掻き立てられ、 歯止めが効かなくなっていた。 シャツの上から手を這わし 胸の突起を爪で弾くと 「ァン......!」 と、紫音の腰が跳ねる。 すかさず裾から手を這わそうと シャツに指を潜り込ませた その時だったーー 「ちょ!...... ちょちょ!ちょっと待ってって!!」 紫音が激しく抵抗して奈義の手を遮った。 「あぁ!? 何だよ!? 待てねぇって!」 熱い息を吐きながら、 奈義の目は獣の様に血走っている。 紫音は、 そんな奈義を押しのけるように 「......ちょ! 話を聞けって!」 と急プレーキをかけた。 「はぁ!? 話!? 何の!?」 奈義の眉間に深い皺が寄る。 「えっと......今は...その...!」 「......何だよ!! ......ココは本気になってんじゃねぇか。」 そう言って奈義は紫音の窮屈になった股間を指で撫で上げる。 ビクッ! と体が硬直して紫音が息を呑んだ。 「いいから脱げって!!」 奈義は裾を抑える紫音の手を払いのけ 強引にシャツを捲し上げたーー。 「ダメ......ッ!!」 「!!」 紫音の肌が露わになった瞬間、 奈義は、体から一気に熱が引き、 冷たいものが背中を走るのを感じていた。 そこにはーー 白くしなやかな肌に残された、無数の赤い鬱血の痕。 誰がつけたものかは、見ればわかる。 「......んだよ...コレ......。」 胸を絞るような声に、 紫音は気まずそうに目を逸らせた。 「......だから ......待ってって言ったのに...。」 「......おま、これ......どうしたんだよ。」 「ちゃんと話そうとしてたのに! 待ってくんないから......。」 「............ごめん......。」 何やってんだ。オレ。 ーーまた、泣かせるところだった。 奈義はそっと体を離して 紫音の鬱血の痕を撫でた。 「......誠一郎に。 最後に一度だけ抱かせて欲しいって 言われて......。」 ーーあのヤロウ......。 「......で、これかよ。」 どうにもならない程の 苛立ちが腹の底に湧く。 ーー許せねぇ。 ......なのに それだけじゃなかった。 ーー悲しい。 苦しい。 痛い......。     何なんだ......この感じ。 「違ッ......! そう言ってたんだけど ......誠一郎は抱いたりしなかった!」 その代わりーーこの置き土産か。 ......そういう事ね。 そりゃぁ、連絡出来ねぇハズだわ。 奈義は震える息を吐き出して 紫音の服をゆっくり脱がし始めた。 「ちょ......!奈義ッ!」 抵抗する紫音をそっと制して 一枚一枚剥ぎ取っていく。 胸にも、腕にも、腰にも、内腿にも 背中に至るまで...... 執念の如く紫音の体に残る痕跡。 「......見んな...ッ!」 紫音は体を抱えて小さく丸まった。 奈義はアッシュの髪を優しく撫でる。 「......紫音も......」 声が、掠れる。 「......こんな気持ちで 嫉妬して...た......?」 「......へ?」 紫音は思いがけない言葉に、思わず顔を上げた。 「......オレが女と居た時......。」 嫉妬してた......?」 奈義は、今までにないほど ひどく情けない顔をしていた。 「こんな............痛い......。」 奈義の目に涙が滲んでいく。 紫音はしばらく何も言わなかった。 やがて、 困ったように笑って 「......嫉妬なんてもんじゃねぇよ。アホ。」 そう言って、 奈義の顔を引き寄せた。 そして、涙を拭うように唇を寄せる。 「......なっちゃん?」 ーーもういいから。 「......ねぇ、酷くしてよ。」 耳まで真っ赤にした紫音が、 足も腕も奈義に絡めて 奈義の意識を 紫音の奥深くへ誘い込んでいく。 「......ッ!」 ーー塗りつぶしてよ。      奈義で、いっぱいに......。 奈義は噛み付くように、 その首筋に顔を埋めた。 強く押さえつけられた手、 こじ開けられた足。 アッシュの髪が シーツに乱れていくーー。 2人を止めるものは    もう何も無かった。

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