23 / 23
第23話※【終】
店に(close)の看板を掛けて閉めると、二階の私室へ行き、いつぞやの時と同じく口付けをしながら、服を脱ぎ合わせて寝台へとなだれ込んだ。
「ん、前より柔らかいか?」
香油で濡らした指を双丘の奥、蕾に触れると以前と違う気がする。
私と離れていた間にこの身体を誰に触れられていたのかという不快な想像が脳裏に過る。
「そ?」
「シズ、大人しく出来なかったのか?」
口元を緩めてにやりと笑いながら腰を指に押し付けてくる。
ぬるりと奥に入って指が温もりに包まれて、その動きに誘われるようにぐるりを指を回して肉壁を擦った。
「っ…ん、シャルルはどう、なの? ここ、大人しかった?」
そう言いながら伸びてきた手が雄を優しく撫でていく。
根元から先端まで丁寧に撫でると離れていき、見せびらかすように私の雄を撫でた指を舌に絡めた。
官能的な仕草に体がぞくりとしてぴくりと雄が動いたのを感じた。
「……お互い様か」
「仕方ないね。気持ちいいの好きだし」
私と恋人になれば私だけにしてくれるのだろうか。
言葉で言っても恐らく駄目だろう。ならば満足させて他の目が移らないようにするしかないか。
「あはっ……こんな気持ちいい、セックスはじめて」
「ああ、最高だ」
私の上に跨って雄を飲み込みゆるゆると腰を振っている。
既に何度かお互い精を吐き出していて体液で汚れていた。
香油を足す必要がないほどにシズの中も私の精液で濡れそぼっている。
時折下から突いてやると、ひときわ甘い声を出してくるのがとても良い。
「だめっ、僕がする、んだか、らぁ」
「得意と言っていたか」
「そ、んなこと……ぁっ!いったっけ」
甘ったるい声で制してくるが逆効果だ。もっとその声を聴かせてくれ。
「だから……あぁっ、そこ、いい……っ!」
一回り小さい体は私を飲み込んだ肉壁でぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
良いところは素直に声に出して教えてくれるのが可愛いと思ってしまう。
快感に耐え切れずぐらりと前に倒れてきたシズを繋がったまま抱きしめて唇を合わせた。
「ん、ふ……ぅん」
お互いの舌を合わせて絡め、啜りあう。混ざり合った唾液を飲み込み、溢れた唾液が唇から零れていく。
唇を離す前にぐいっと腰を打ち付けると、シズの顔が吐息と共に離れて首元に移動した。
そのまま穿つと蕩けるような喘ぎ声が吐息の熱と一緒に耳を擽る。
「気持ちいい…はっ……」
「ぅん……イイ、っ……」
下からの衝撃に体が逃げて浮かないように背中から抱きしめ、腰を打ち付ける。
ぱちゅぱちゅと濡れた音が部屋に響く中に混ざって安物の寝台がギッ、ギッと鳴っている。
欲のままに穿つと私の肩を持っている手に力が入り感じていることを教えてくれた。
その仕草が堪らなく愛おしい。
シズも私の事を想ってくれているのだろうか。
そういえば言われていないな。
ふと、不安のようなものが過る。
「シャルル。大丈夫。本気で恋してあげる……好きだよ」
心を見透かされたような告白に息が止まった。
先ほど感じた冷たい不安が一気に溶けていく。
ああ、シズ、好きだ。
好きな人に好きと言われる事はこんなに嬉しい事なのか。
「鑑定士は人の心も読めるのか?」
「あは、シャルル限定?」
心を通わせている者同士のセックスとはこんなに楽しくて満足できるのか。
今までのセックスとは段違いだ。
ああ、幸せだ――
「でもお店辞めないから。辞めろって言うならこの話は無かったことにして」
「……何?」
昼が夜になるまで抱き合ってお互い満足して、簡単な食事も食べ終わり城とは違う狭い寝台に二人寝転んではそろそろ眠りに落ちようとした頃にシズが言い出した。
「僕、この世界で生きていくにはこれがいいかなって思ったし」
「城にいれば金には困らないが……」
「大人だし自立したいんだよ」
確かに。
気持ちはわかるが、レギアとクレールは遠すぎる。
だが辞めないというならば――
「……わかった。だがクレールで営んでくれ。でないと気軽に会えないだろ?」
「まあ……それなら、うん……レギア気に入ってるんだけどなぁ」
「すぐに会えないのは困る」
「んー……これ好きだしそれもそうか」
そういって手を伸ばしてきたシズが散々彼の中に入っていた私の雄を揉んでくる。
「んっ……こら、まだ足りないのか?」
「……いい場所あるかなあ」
「なるべく城に近いところで頼む」
仕返しに同じように彼の雄をやんわりと掴むと上目遣いで少し口を開いてくる。口付けを望んでいるかのような仕草だ。
それに答えて唇を重ねると、今日、何度目かのセックスへとなだれ込んだ――
一緒に住めないのかと思ったがどうやら夜は城に帰って来てくれるそうだ。
布団がふわふわで寝心地いいんだよね、という理由らしい。
私ではないのか。
記憶がいつ戻ったのかも聞いてみると、酒を呑んだ時らしい。
お試し、と聞いてきたのは私の反応を見たかったからだそうだ。
その時に愛を囁いてくれていたら逃げなかったのに、と笑っていた。
そして一足先にレギアを離れなくてはいけない私は後ろ髪惹かれる気持ちで城に帰った。
途中シズがガイウスの街でギルドに寄ったらしい。
アーバン爺にお礼の品が渡せるかもと言っていた。
何やら、変わった呪いにかかった冒険者がいるみたいで、紫の【核】を預けたそうだ。
恋人らしき男が良い体しててねーと楽しそうに話していた事に多少腹が立ったが。
その呪いはまた別の話。
ともだちにシェアしよう!

