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第1話
恐れていた事態を目の当たりにしたタイミングは最悪だった。
新店舗オープンに向け、本社から桐江啓介と梢愛美が長期出張でサポートに入ってくれてから半年が経とうとしていた。
「やだ、篠塚さん。こんな所で……誰かに見られたら……」
「倉庫なんて誰も来ないから大丈夫。ちょっとだけ、な?」
「んっ……ぁあ……、だめ、キスだけね」
目の前で始まった行為から目が離せなかった。会社の倉庫で過去の資料を探していた雪乃には気づいていないらしく、二人で夢中で求め合う。
雪乃一人ならまだマシだったかもしれない。最悪なことに、隣には桐江が立っている。
本来、外回りの予定だった桐江であるが、急遽資料が必要となり、雪乃が一緒に探していた。
そう広くはないが、何故か内側からも鍵がかかるこの場所は、確かに逢瀬を楽しむにはうってつけだ。
篠塚が言う通り、人の出入りも極めて少ない。
なので先に雪乃と桐江が入っているなど、想像もしていないのも仕方ない。
キスはだんだんと激しくなっていく。そのうち、篠塚の手が梢のスカートを捲り上げ、豊満な双丘を揉み、割れ目に指を食い込ませる。
「あっ……、や……」
「なぁ、愛美ちゃんって本当にエロい体だよな。もう濡れてきてんじゃん」
「変な触り方するからぁ」
「でも体は素直に悦んでる」
ストッキングの上から秘部を擦ると、梢の喘ぎ声が大きくなる。その口を篠塚のキスで塞いだ。唾液を絡めるようにねっとりと深いキスになっていく。
二人の息遣いがこちらにまで聞こえてきた。
「あっ……や、気持ちいい。もっとしてぇ」
「やらしい愛美ちゃん、マジで最高」
「でも篠塚さん、恋人いるのに、こんなこといいの?」
「その質問は禁止って約束したでしょ? あいつといてもつまんねぇし、体の相性も最悪だって昨日も言った。ってか、愛美ちゃんの方がいいって言って欲しかった?」
「うん、言ってほしいよ。だって恋人に勝ちたいもん。あの人なんでしょ? 部下の宇井くん」
言いながら、梢は自ら篠塚の手を秘部へと誘導する。
ストッキングの上から愛撫され、わざとらしいほど甘ったるい声で篠塚を煽っている。
「そんな名前だったっけ。名前呼ばないから忘れちまったな。正直、仕事押し付けられるから恋人って関係を続けてやってるだけ。性格もセックスもつまんねぇからさ。俺はいつでも捨てていいんだけど、逆恨みされても怖いから言わないだけ。それより、愛美ちゃんが明日帰らなきゃいけない方が辛い。俺ら、体の相性良すぎじゃん」
舌を絡ませながら卑猥な水音を立て、梢のブラウスのボタンを外していく。そのうち、レースたっぷりの下着が晒し出された。
二人の熱はさらに上がっていく。
このまま最後まで致してしまうのか。隣の桐江の顔が見られない。かといって動くわけにもいかず、雪乃は両の拳を強く握り締め、下を向くしかなかった。
桐江はどう思っているだろう。きっと怒っているに違いない。仮にも仕事中である。
しかもこんな場面で、雪乃が直属の上司である篠塚と付き合っていると暴露されてしまった。
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