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第12話
桐江は望み通り雪乃の屹立を握り、根本から絞り上げる。
「ぁぁああああ!!」
想像以上の刺激に、浴室に響き渡るほどの矯声を上げた。
桐江は先端を指先で弄りながら、もう片方の手で上下に扱く。腰がびくびくと戦慄き、瞬く間に快楽の波が襲いかかってきた。
「腰が揺れてる。自分で動いてみる?」
「む……り……桐江さ……啓介さんに、して欲しい」
「可愛い。やっぱり雪乃は可愛いね」
「あっ、ぁん、こんなに感じるの、初めてで……頭がおかしくなりそう」
「このくらいで? まだまだこれからだよ」
桐江は「一度射精 そうか」と言って手の動きを早める。
たまに自慰はするが、それはただの性欲処理に過ぎない。出してスッキリすれば終了。
なのに桐江に触られただけで身体中が愉悦に浸っている。先端に爪先を立てられ、奥から迫り上がってくる快楽を飛沫させた。
「あっ、ぁぁああっ!!」
腰を突き上げ、勢いよく白濁が飛び散る。浴室の壁に飛び散り、シャワーに流されていくのが視界の隅に映った。
思い切り吐精し、下半身に神経が集中している。思い切り絶頂を味わったのに、まだ物足りなさを感じている自分に、自分自身が驚いている。
桐江はシャワーでボディソープを流すと、気持ちを落ち着かせるためか浴槽に浸かろうと言った。
背後から抱きしめられる体勢で湯に浸かる。落ち着かせるためと言いながら、雪乃の腹周りで組んだ両手を離さない。
これでは冷静にはなれないじゃないか。さっき一人でイッてしまった気まずさに、立てた膝に置いた手に力が篭る。
けれど雪乃とは逆に、桐江はご機嫌な様子で背後から鼻歌が聞こえてくる。
「ねぇ、こんなにも感度はいいし可愛らしく啼くのに、つまらないなんて言われたの?」
「ちが……こんなに、気持ちよくなかったから……。ただ乱暴にされて痛かっただけだったので……」
「じゃあ、雪乃の気持ちいい顔を見たのは俺が初めてなんだ?」
「顔なんて見えましたか?」
「鏡でずっと見てたよ」
「それは恥ずかしいです」
淫らだった姿を思い出し、桐江に背を向けていて良かったと思った。
こんな明るい場所で恥ずかしいところまで全て見られてしまったものの、直前顔を見られていれば、顔から火が出るほどだっただろう。
まだ雪乃の中心は芯を通したままだ。腰に当たっている桐江の男根も萎えていないのがせめてもの救いだった。
桐江は耐えず雪乃に刺激を与えながら話を続ける。
初めての経験が篠塚なのが気に入らないのだと、嫉妬を隠しもしない。
「でも、僕と啓介さんはまだ知り合って半年ですし」
「篠塚との付き合いは長いの?」
「いえ、一年と少しです。でも付き合ってると言えたのは最初の二ヶ月くらいですけどね」
乾いたため息を吐き出す。
篠塚にも甘えたかった。こんなふうに扱ってくれていれば、違う今があったかもしれない。
でも……と思い直す。桐江だから自分を晒し出せた気もする。支所へ来た時から桐江は優しく頼もしかったけれど、今日は特別甘やかしてくれている。
もしも雪乃が一夜限りの恋人になってほしいなんて言わなかったとしても、桐江はこんなふうに扱ってくれたのではないか。……これも自意識過剰だろうか。
でも、本当の恋人ではないのにキスまでしてくれるものなのか。口にしたわけではないけれど、恋愛経験のない雪乃には、理解し難い部分があるのは否めない。
顔だけ後ろを向き、桐江に訊ねる。
「啓介さんは、同性も恋愛対象になるんですか?」
今更だと言われそうだが、確かめたかった。雪乃の願いを叶えるためとはいえ、同性が恋愛対象になるかならないかでは心の持ちようが全く違う。
桐江は雪乃を対面するように向きを変え、跨らせた。腰を寄せデコルテにキスをする。何度か啄んだ後、キツく吸い付いて鬱血の痕を残した。
「俺も雪乃と同じ。恋愛対象は完全に男だけだよ」
自分のつけたキスマークを指先で撫でながら、雪乃を見上げて頬を緩める。
「白くて綺麗な肌。名前にぴったりだね」
そう言うと、今度は鎖骨の際にも鬱血の痕を付けた。
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