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第13話
「雪乃が同類だとは割と直ぐに気付いてたんだ」
「そんなに、分かりやすかったですか?」
「なんとなく……同志の勘ってやつ? 梢が露出の多い服装でいても視線さえ向けなかったし、他の女性社員からの誘いにも乗らない。なのに俺からの誘いには尻尾を振って来てくれる。梢が雪乃を敵対視したのは、自分の魅力に反応してくれなかったのが大きい」
そこまで的確に分析されていたとは思いも寄らない。女性社員から誘われていた記憶すら自分ではなかったから、無自覚に失礼な態度をとって来たのか気になるが、桐江から見れば相手も断られても気にしてはいなさそうとのことで安心した。
梢に至っては篠塚と自分との関係が気に入らなくて睨まれていると思い込んでいたので意外な気がした。
けれど男なら見境なく手を出すと桐江が話しているのを思い出し、最初は自分もその対象だったことに驚いた。
「フォローして欲しかったです」と言うと、桐江は楽しそうに声を出して笑う。
「それだから雪乃とペアになれてラッキーと思ってたからね。会った初日から可愛いと思ってたし、その上、真面目で仕事も捗る。他の人には譲れないよ」
桐江は、雪乃が篠塚から籠絡されていたのが許せなかったと言った。
なので出張中に梢との逢瀬の現場を抑えようと企てていた。梢のこれまでの行動で、社内で行為に及ぶのは彼女の嗜好の一つだと把握していたから。
それがどのタイミングになるかまでは測れなかったそうだが、倉庫で逢瀬を楽しむ場面に遭遇できたのは、桐江にとっては願ったり叶ったりだったのだ。
喋りながら、雪乃の身体のあちこちに吸い付いていく。まるでマーキングをされているみたいだ。
でも、悪くない。むしろ身体中に付けて欲しい。
明日から、このキスマークが消えるまでは今日の日が思い出ではなく現実でいてくれそうだから。
雪乃はくすぐったいと言いながらも、桐江の頭に腕を絡める。雪乃が知らないところで、守ってくれていただなんて、もう充分甘やかしてくれたのではないのかと思ってしまう。
しかし桐江は「今日は特別な日だから」と言いながら見つめてきた。
「桐江さんの、記念日か何かですか?」
訊ねると、今度は首を振る。
「今日は雪乃の誕生日だろう?」
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