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第1話
「恋人のスマホを覗くのって、そんな悪いことか?」
親友の竹原彰二 は、ふいにその問いを口にした。
彰二は見た目が良く、友人関係である大翔 にとったら羨ましいことこの上ないくらいに、恋人が次々にできるのだが、長続きした試しはない。
それもこれも、この危ない考えのせいなんだが、本人は全く自覚がなかった。
「恋人同士っていっても、プライバシーがあるからな」
「プライバシー?そんなん、恋人相手にあるわけないだろ」
いつもこれだ。
正論を解いているはずの自分の方がおかしいのかと錯覚するくらいに、彰二は恐ろしいほど無垢な表情で大翔を見る。
「いや、お前さ。その考えだから、長続きしないんだよ」
「長続きしないのとこれは関係ないだろ?」
「じゃあ、逆に訊くけど、なんで長続きしないと考えてるんだ」
「俺の愛が足りないから」
駄目だ、言葉が通じない人種だと頭を抱える大翔に、彰二は爆弾発言をした。
「じゃあさ、教えてくんね?俺と疑似恋愛して、お前の考える正しい愛しかたってやつを」
「はあ!?お前、本気で言ってるのか」
平日の昼間、喫茶店に自分の叫び声が響き渡ったが、それどころではなかった。
目の前の彰二は、自分の発言の滑稽さに全く気づかないまま、にこにこと笑いながら大翔を見ていた。
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