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第4話
彰二は何事もなかったように、大翔の隣に並び立ち、仕事の話をし始める。
「次は俳優になりたい?」
「そう。一緒に働いてたモデル仲間が、つい最近役者としてデビューしてさ。すごく輝いているのを見ると、何か俺もやりたくなって」
「彰二、カッコいいからな。すぐなれるよ」
根拠もなく言ったのに、彰二は嬉しそうに笑った。
「サンキュー。大翔に褒められると嬉しい」
どこか照れたようにも頬を染めているのを見て、あれ、と思う。
彰二はいつも、こんな顔を自分に向けてきていただろうか。
今までさほど気にしていなかったことが、今になって気になり出す。
「彰二、あのさ。付き合うってのは、冗談なんだよな?」
あっさり否定してくれることを期待して訊いたのに、彰二は曖昧に笑った。
「さあ。どう思う?」
「どうって。逆に訊き返されても」
「大翔はさ、さっきのキス、どう感じた?」
「ど、どうって?」
「嫌がってなかったし、何よりそう顔を赤くしてるとさ」
彰二が再び大翔の腰を抱き寄せ、唇が触れ合いそうな際どい距離感で囁く。
「俺に勘違いされても文句言えないからな」
「勘違いって。いやいやいや、何をどう勘違いされるって言うんだよ」
全力で否定するうちに、気が付けば自宅の前まで来ていた。
「じゃあな。送ってくれてありが」
彰二に背中を向け、鍵を開き、部屋の中に入ろうとした時だった。
「大翔はさ、無防備だよな」
「え?」
振り返ろうとした矢先、彰二はドアを開くと、大翔を部屋の中へ押し遣って、自分も中に入ってくる。
「彰二、何し……んぅっ!?」
また、突然口付けられた。
「ん、……ふぁっ……」
驚いて口を開けてしまったのが運の尽きで、口腔に彰二の舌が潜り込んでくる。
「ん、や、ぁっ……ふっぁ……や、め……んぅ、ふっぁん……」
胸元に手を当てて押し退けようとしても、彰二の力は強く、逃れられない。
それとも自分の力が弱まってしまっているのだろうか。
そんな信じられない事実に行き着こうとした時、彰二が僅かに唇を離して囁く。
「可愛い。抱きたい」
「え!?何言って」
「駄目か?」
「うっ」
眉を下げて悲しそうに訴えてくる彰二の可愛さはは破壊力抜群だが、負けては駄目だ。
親友に貞操までも奪われては、何かが壊れてしまう。
「駄目だ。断固拒否」
強く拒んで、彰二の胸を押したが、迂闊だった。
彰二が我を通す性分だということを、うっかり忘れていたのだ。
「聞こえないな」
「え?う、わっ……何して」
彰二はなぜか大翔を横抱きすると、ベッドの方へと連れて行く。
「ちょ、ちょちょちょい待ち!」
「待たない」
「いやいやいや、そこは待つとこって……」
彰二は大翔の発言を綺麗に無視して、大翔をベッドに横たえると、その上に押し掛かり、キスをしてきた。
「んぅっ……や、っ」
「まっ、……彰二、やめっ……んぅ」
彰二は大翔の制止を右から左に流し、キスをしながら服を脱がせていく。
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