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第18話 準備できたよ♡

ほかほかのお風呂上がり。僕は石けんの匂いをさせて、慎の待つ自分の部屋の前に立ち、深く息を吸い込んだ。うー、緊張する! 「慎〜、準備できたよー」 「うわっ……!? バカ! なんで裸なんだよ! 服を着ろ!服を!」 慌てふためいた慎がベッドから跳ね起き、脇に置いてあったキャメル色の毛布をバサッと勢いよく僕に投げつけてきた。 「うわ、っと……」 頭からすっぽりと毛布を被せられ、ふわふわに包まれた僕はまるでキャメル色の巨大なぬいぐるみにでもなった気分だ。 ほっかむりのように顔だけちょこんと出して、首を傾げる。 「えー、なんでぇ?すぐに脱ぐのに?」 慎は「っ……」と息を詰まらせて片手で額を押さえた。 「ねぇ、ねぇ、慎! もしかして、僕の裸を見たら悪いと思ってる?」 上目遣いでにじにじと近づいていくと、慎にガバッと毛布ごと横抱きで捕獲されてしまった。 「ふわぁ…あっ……!」 「目のやり場に困るだろ。お前、つい最近まで高校生だったんだぞ。 俺がどんだけ我慢したと思ってるんだよ……」 耳のすぐ近くで甘く囁く慎の低い声に、背筋がゾクゾクと痺れた。 ふと、僕の唇の上に、慎の唇の重みがぷにっと乗っかるだけのキスが落とされた。さっきとは大違いだ。 「今日、ごめんな。乱暴にして」 謝罪の言葉とともに、慎の指が毛布の隙間からスルリと忍び込んできて、腹筋をなぞる指先が、軽く乳首を掠めた。 「はぅ……っん。……いいよぉ」 身体が一気にブァーッて熱くなる。 「じゃあ罰として、これから僕がキスしてって言ったらキスしてね……」 僕はベッドに寝そべって、火照った肌を隠していた毛布をはだけさせた。 今触れられたら、きっと、凄く気持ちいい。 「分かった。 すぐに出来ない時でも、24時間以内に絶対にする」 慎は思ったよりも神妙な面持ちで、真剣にそう返した。 「何それ……ふふっ…」 裸で仰向けになった僕の足の間に、慎の膝が入ってきた。慎は両腕をついて、自分の体重のすべてをかけて僕を潰さないよう、気を付けながら覆いかぶさった。 「どこに、したら良いの?……キス」 欲望の色を濃くした瞳を細め、なのに信じられないほど優しく、慎は問いかけてくる。 それは、もちろん唇に決まっているけれど……。 まだ、恥ずかしさが勝ってしまう。 「く……、…く……び……」 ああっ!日和っちゃった! 言ってしまってから、自分のヘタレっぷりに頭を抱えたくなった。 でも、その言葉は慎にとって抑えていた欲望の向かう先を、決定づける合図だった。 慎は一瞬、俯いて、それから顔をあげると、まるでスイッチが入ったみたいに、僕の首筋に喰いついた。 「ひゃあっ……!」 す、吸われてるっ……。 慎は僕の柔らかい肌を唇で挟み込んで吸い上げるように持ち上げた。 チュッ、チュッと甘い水音が首筋に何度も響くたび、頭の中がじんわりと痺れて白くなっていく。 甘い刺激と恥ずかしさのあまり、僕の目にはうっすらと涙が滲んでいた。つま先がぶるぶるっと小さく震える。 「………んっ…、はぁ…はぁ……。 じゅ…ジュルジュルってされたぁ……!」 僕の首筋に顔を伏せていた慎の肩もプルプル震えている、と思ったら……。 「ぷっ……!」 と慎が吹き出した。 「ジュルジュルだって、ムードないなぁ……」 笑いながら首筋から離れていく慎に、僕は真っ赤になった頬をぷぅっと膨らませた。 「次は?次どこにするの?」 慎は言いながら、片手で着ていた服の裾を掴んで頭からぐっと脱ぎ捨てた。 「へっ?」 僕の口から間抜けな声が漏れた。 腕を上げて服をすべて剥ぎ取った後、顕になった慎の身体は、僕の体とは、全然違っていた。 広がった背筋、厚みのある胸板と引き締まった腹筋が作る逆三角形のシルエット。 身体を動かすたびに、しなやかな筋肉の陰影が浮かび上がる。 その無駄のない美しさに僕は、息を止めて見惚れてしまった。 「可愛いなぁ、諒馬は」 無造作に乱れた前髪の隙間から見下ろしてくる瞳は、直視できないくらい愛おしそうに、熱い眼差しで僕をとらえていた。 どうしよう、慎がすごく優しくて格好良い。 「……か、身体中……」 僕は、おずおずと慎の逞しい肩に手を伸ばした。 「了解」 と言った慎の唇の隙間から、チロリと赤い舌が覗いた。

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