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第6話 KissPay取扱い店
【登場人物】
吉川輝 よしかわひかり(あだ名→ひーくん)
→浦井の事が好き。
浦井耀 うらいひかり(あだ名→ひかり)
→吉川の事が好き。
吉川望 よしかわのぞみ
(吉川ママ、あだ名→のぞみ)
→吉川の母親
浦井希望 うらいのぞみ
(浦井ママ、あだ名→のんちゃん)
→浦井の母親
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--7月17日
一学期の終業式
浦井「明日から夏休みだ!」
吉川「宿題たんまりだけどなー」
浦井「半分こしない?」
吉川「同じの2倍になるだけやで」
浦井「それはキツい……」
吉川「地道にコツコツしないとねー」
浦井「あ!!」
吉川の後ろを指さす浦井。
プリントを一束、吉川の机に……。
吉川「何してる?」
浦井「落ちてましたよ」
吉川「あるから大丈夫♡」
浦井「むーーー……」
吉川「むー。じゃねぇーわ」
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--帰り道
吉川「暑くて溶けそうなんだけど」
浦井「帰ったらアイスあるよ」
吉川「え?何アイス?」
浦井「なんか色々あった」
吉川「ガリガリ君食べたい!」
浦井「ひかり君ならあるよ♡」
吉川「それ何味?」
浦井「イチゴ味!」
浦井を下から上まで見る吉川。
吉川「塩味……」
浦井「誰がポテチやねん!」
吉川「萎びたポテチ……」
浦井「ピチピチよん!♡」
浦井のほっぺを摘む吉川。
吉川「ムニムニ……」
浦井「何してんの?」
吉川「ムニムニ……」
浦井「ムニムニ1回500円なります」
吉川「金取るの?!」
浦井「お支払いは現金ですか〜♡?」
吉川「PayPayで……」
浦井「ごめんなさ〜い。
当店、現金のみなんですよ〜♡」
吉川「じゃぁ、聞くなよ……」
鞄から鍵を取り出す浦井。
吉川「え?完全スルー?」
チャラチャラ
カチャン
ガチャッ
浦井「何が……?入るよ??」
吉川「え?記憶喪失ですか……??」
廊下に籠っていた暑い熱気が
玄関から溢れ出してきた。
浦井「うわっ……。記憶喪失になりそう」
吉川「そこは拾うの?」
浦井「とりあえず部屋行って、冷房つけよ!」
吉川「会話のキャッチボールって知ってますか〜?」
エアでボールを取り
横へポイっとする浦井。
吉川「ないんだね……」
足早に浦井の部屋へ駆け上がる二人。
ガチャッ
浦井「あつ〜〜っ」
吉川「リモコンどこ?!」
浦井「とりあえず窓開けて風を通そう!」
ピッ
ウイーーーン
パタパタパタパタ
下敷きで扇ぐ吉川。
浦井「ひーくんズルい!オレも!」
パタパタパタパタ
ペチペチペチ
ベチベチベチ
浦井「当たってる、当たってる」
吉川「ん?」
浦井「ん?じゃねぇなぁ……」
吉川「アイス!」
吉川は浦井から逃げるように下へ降り、
冷蔵庫のあるキッチンへ向かう。
それを追いかける浦井。
ガッ
ダーーーッ
ガンッ
冷凍庫を開けると、
ヒンヤリとした風が顔へ注がれる。
そこへ一際輝くアイスが……。
吉川「ガリガリ君あるやん!」
浦井「オレはpinoにしよ!」
吉川「足りる?」
浦井「足りる?どういう意味?」
吉川「デ……、なにも……。」
浦井「おいっ……、
今、デブって言いそうになってなかった?」
エアでボールを取り
横へポイっとする吉川。
浦井「オレのボールが……。
待って……、オレのボール……」
見えないボールを追いかける浦井。
そそくさと部屋へ戻る吉川。
浦井「まってよーー!」
再び、後を追いかける浦井。
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窓を閉め、
ベッドの縁にもたれ
座り込み涼む二人。
ハム……シャリ……。
吉川「うー、うんまぁ♡」
ハム……。
浦井「おいひぃ〜♡」
吉川「1個ちょうだい!」
吉川「あ〜ん♡」
浦井「あ〜ん♡」
吉川「おいひぃ〜♡」
浦井「海いつ行くー?」
吉川「いつでも良いんじゃね?」
浦井「どこの海?」
吉川「んー……。
あ……!さすがに……、遠いな……」
浦井「どこを想定してんのよ?」
吉川「オレのばぁちゃん家の近くに
海があって。」
浦井「ひーくんのおばぁちゃん家?」
吉川「そう。山口なんだけどね……」
浦井「や……やまぐち??」
吉川「めっちゃ海が綺麗でね。
ひかりに見せたい……。
ひかりと一緒に行けたらな……。て」
浦井「嬉しい……。」
吉川「そうだ!イチカバチカ。」
吉川はスマホを取り出し
メッセージを打つ。
タタタタタタタタタタタタ
吉川「ダメ元で……。お願いします!」
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--吉川ママの会社
同僚A「吉川さん!
来週の打ち合わせ大会議室だそうです」
吉川ママ「5人なのに?」
ブルッ
吉川ママ(今度は何?あら、ひーくん)
耀〈山口のおばぁちゃん家に、
ひかりと行きたい〉
吉川ママ(もう、夏休みかぁ。早いわね)
タッタッタ
母親に電話をかける吉川ママ。
プップップッ……。
吉川ママ「もしもし?お母さん?
夏休みにひーくんそっちに行っても良い?
私……?
多分仕事が忙しいから行けないと思う。
ありがとう。
それと、のんちゃん覚えてる?
そうそう!幼稚園から一緒だった。
その、のんちゃんの息子さんも
ひーくんと同級生なの。
ひーくんと同じ”ひかり”って名前なのよ。
そうそう!一緒。漢字は違うけどね。
その子も一緒なんだけどいい?」
吉川ママ
「ありがとう。
また行く日決まったら連絡するね」
ピロン
タタタタタタタタタタタ
吉川ママ〈夏休み、ひーくんとひかりに
旅をさせようと思うんだけどどう??〉
浦井ママ〈いいね!〉
吉川ママ〈私のおばぁちゃん家の
山口なんだけどいい?〉
浦井ママ〈山口?おばぁちゃん家?
あ!あの家??〉
吉川ママ〈そうそう!覚えてたんだ!〉
浦井ママ〈覚えてるよ!いいね!〉
浦井ママ〈今は誰が住んでるの?〉
吉川ママ〈お母さんが帰ってて住んでる。〉
浦井ママ〈お母さん元気?〉
吉川ママ〈元気、元気。
いつも通りうるさかったわよ〉
浦井ママ〈なら安心ね!〉
吉川ママ〈じゃぁOKということで良い?〉
浦井ママ〈もちろん!〉
浦井ママ〈のぞみは行くの?〉
吉川ママ〈今の所は行かないかな?〉
浦井ママ〈てことは、
行けるようになれば行く。ってことね〉
吉川ママ〈行くなら、
のんちゃんと行きたいかな。〉
浦井ママ〈私は、いつでもOKよ!〉
吉川ママ〈わかった。ありがとう。
じゃぁ、ひーくんに”行っても良いよ。”
ってLINEするね〉
浦井ママ〈わかった。ありがとう〉
浦井ママ〈今日、会える?〉
吉川ママ〈遅くなっても良いなら〉
浦井ママ〈じゃぁ、泊まりにおいでよ〉
吉川ママ〈わかった。
ひーくんにも言っとくね〉
浦井ママ〈OK〉
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ブルッ
吉川「あ、ママから。」
浦井「なんて?」
吉川「まだ、見てない。これから。」
吉川「マジ?!」
浦井「どしたの?」
吉川「山口行って良いって!!」
浦井「マジ?!」
お互いとびっきりの笑顔で見合った。
吉川「それと……。」
吉川が真顔になりそう呟くと
浦井は少し不安な顔になる。
エアコンの音だけが聞こえる室内。
ウイーーン
吉川「今日、お泊まりOKだって!」
浦井「何それ?びっくりするじゃん!」
バシッ!!
吉川「痛っ!」
浦井「もう!」
口を膨らせて不貞腐れる浦井。
つんつんっ
人差し指で浦井の頬を突く吉川。
それでも機嫌が直らない浦井。
吉川は両手で浦井の頬を摘む。
ムニムニ……ムニムニ……。
浦井「むー……。1,000円になります……」
吉川「ペ……PayPayいけますか……」
浦井「そこに現金のみ。
って書いてるでしょ?」
吉川「やっぱりPayPayダメなんですね」
浦井「KissPayなら、
取り扱ってますけど……」
吉川「KissPay……??」
目を瞑って唇を尖らす浦井。
吉川「あ〜……。じゃぁ……、それで……」
浦井「早くしないと、
KissPayの有効期限切れますよ?」
吉川「早くない?!」
浦井「するの?しないの??」
吉川「します……」
更に唇を尖らす浦井。
スマホを取り出す吉川。
カシャッ
写メを撮り、
サッとスマホを床に置いた。
尖った唇が戻りパッと目を見開く浦井。
浦井「今……」
唇と唇が重なる……。
ウイーーン
エアコンの音しかしない部屋。
浦井の手が吉川の背中に回される。
吉川も応えるように浦井の背中に手を回す。
ゆっくり唇が離れる。
吉川「決済終了しましたか?」
目を見て問う吉川。
浦井「残高不足です」
目を見て答える浦井。
半開きの口を浦井から重ねにいく。
そしてゆっくり舌が絡み合う。
ウイーーン
つづく
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