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第5話 フタツノ いつも……。
【登場人物】
吉川輝 よしかわひかり(あだ名→ひーくん)
→浦井の事が好き。
浦井耀 うらいひかり(あだ名→ひかり)
→吉川の事が好き。
吉川望 よしかわのぞみ
(吉川ママ、あだ名→のぞみ)
→吉川の母親
浦井希望 うらいのぞみ
(浦井ママ、あだ名→のんちゃん)
→浦井の母親
園部祐樹 そのべゆうき
→浦井の親友
坂本真 さかもとまこと
→吉川の親友
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吉川「眠たい?」
浦井「うん……」
吉川「寝よっか……」
浦井「うん……」
ベッドの布団をはぎ
吉川が奥に移動し
浦井を横に来させ
浦井の身体をゆっくり倒す。
スヤスヤと眠る浦井。
それをじっと見ている吉川。
吉川「待っててくれてありがとう」
頬に口付けした。
浦井「ムニャムニャ……。
ひーくん……。好き……」
寝返りをうち浦井の顔が目の前にくる。
吉川は浦井に背を向け
吉川「寝言で言うなんて……、ズルいよ……」
掛け布団をグッと締め付け
目を閉じた。
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--4:20
吉川が目を覚ます。
身動きが取れない……。
掛け布団をはぎ下を見てみると、
腰に浦井の腕が巻き付き、
足も絡み付いていた。
吉川「オレは抱き枕かよ……」
諦めて目を瞑る吉川だった。
--8:30
浦井「ひーくん……起きて……」
吉川「ん……ん……」
目を開けると目の前に浦井の顔があった。
朝の陽射しにうっすら照らされた浦井
吉川「過去イチ幸せな朝……」
浦井「ん??」
吉川「起こしてー……」
手を広げ浦井を誘う。
浦井「おっきい赤ちゃんだなぁ」
吉川は浦井に抱きつき
浦井は吉川を抱き起こそうとするが
動かない。
吉川「もうちょっと……、
このままでいたい……」
浦井「可愛いんだけど……」
吉川「ひかりには負ける……」
吉川の頭を撫でる浦井。
二人にとって、
この日の朝は忘れられない朝となった。
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--2ヶ月後(6月中旬)
AM6:30
ブルブルッブルブルッブルブルッ
浦井「もしもし……」
吉川「おはよう。ひかり」
浦井「おはよう……」
吉川「良く寝れた?」
浦井「めっちゃ寝れた……」
吉川「起きてる?」
吉川「起きて…………」
吉川「ひかり!ひかり!」
吉川(また落ちたな……。)
--AM7:00
吉川ママ「朝ごはんは
浦井ママに用意してもらうように
言っておくから!」
吉川「ありがとう!いってきます!」
吉川ママ「いってらっしゃい!」
カチッ
ガチャン
チャラチャラチャラチャラ
自転車を車庫から出し、
浦井の家へ向かう吉川。
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コンコンッ
浦井ママ「ひかり!朝よ!起きてる?」
……………………
ガチャ
浦井ママ「まだ寝てるじゃない!
ひーくん来ちゃうわよ!」
浦井ママ「もう、ひーくんに、
ここの家の鍵を渡しておこうかしら。」
浦井「お願いさまーーす。」
浦井ママ「もう!!」
バタンッ
--7:20
ピンポーン
ガチャ
浦井ママ「おはよ。」
吉川「おはようございます!」
吉川「行っていいですか?」
浦井ママ「もちろん!」
ダッダッダッダッダッダッ
ガチャン!
吉川「おきーろーー!、ひかーーりーー!」
掛け布団を剥ぎ
くるまってるひかりの手を取り起こす吉川。
浦井「ハグ〜〜♡」
吉川「起きたらね。」
ピシッ!
浦井「おはようございます!」
凛々しく立ちお辞儀する浦井。
吉川「起きれんじゃん……。」
浦井「ご褒美♡♡♡」
抱きつく二人。
吉川「てか、毎日これじゃん!」
浦井ママ「朝ごはん出来てるわよー」
浦井ママ「ひかり、顔洗っておいで。」
浦井「はーい。」
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--8:00
浦井「いってきまーす!」
吉川「いってきます!」
浦井ママ「いってらっしゃーい!」
こんな朝が、
いつの間にか当たり前になっていた。
♪♪キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン♪♪
--1時限目
コックリ……コックリ……
トントン……
浦井の足を小突く吉川。
浦井「ん?どした?」
吉川「寝てた」
浦井「寝てない。瞑想」
吉川「寝てんじゃん」
浦井「邪魔しないで!
好きな人のこと考えてんだから!」
吉川「なら許す」
浦井「そういう吉川は何か考えてた?」
吉川「好きな人の寝顔見て、
可愛いなぁ。好きだわ。って思ってた」
お互いニヤつく二人。
浦井「おやすみ」
ドン!
机を蹴る吉川。
浦井「もう、寝ないし」
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--昼休憩
吉川「ひかり!屋上行こ!」
浦井「おけ」
女子A「吉川くん……」
吉川「何?」
女子A「一緒にお昼食べませんか?」
吉川「無理」
女子A「ごめんなさい……」
吉川「ひかり行こ」
浦井「う……うん」
--屋上
二人はパラソルを広げ
その影の中でお弁当を広げだした。
浦井「あんな言い方は無かったんじゃない?」
吉川「あれくらい言わないと、
諦めないじゃん。」
浦井「そうなんだろうけど……」
吉川「じゃぁ、どうしようかなぁ?
屋上で一緒に食べる?って言えば良かった?」
浦井「それは嫌だ……」
吉川「嫌なんじゃん!」
吉川「じゃぁ、ひかりならどう言うの?」
浦井「無理」
吉川「一緒やん!」
また、お互いニヤつく二人。
吉川「いただきます!」
浦井「いただきまーす!」
吉川「ここもそろそろ限界かな?」
浦井「もう6月中旬だもんね」
吉川「明日から教室で食うか!」
浦井「そだね」
吉川「あ、水忘れた〜」
浦井「オレのならあるよ」
吉川「一口ちょうだい?」
浦井「いいよ。
ココ置いとくからいつでも飲んで」
吉川「ありがとう」
浦井「もうすぐ夏休みだねー」
吉川「その前に期末があるけどな」
浦井「あ〜。考えたくない……」
吉川「夏休みどっか行く?」
浦井「海、行きたい!」
吉川「おけ!行こ!」
浦井「夏祭りもあるよね!」
吉川「そだなぁ。花火もなかった?」
浦井「あるね!」
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--6時限目
コックリ……コックリ……
トントン……
吉川の足を小突く浦井。
吉川「ん?どした?」
浦井「寝てたよ」
吉川「寝てない。瞑想」
浦井「寝てんじゃん」
浦井「フフフ……」
吉川「笑うなよ……」
浦井「あと10分だから我慢しなよ」
吉川「そうなの?」
浦井「やっぱり寝てたんじゃん」
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--放課後
吉川「ひかり!帰るよ!」
浦井「うん!」
浦井「期末の勉強したい。」
吉川「良いよ!」
坂本「よしかわー!うらいー!」
吉川「どしたー?」
浦井「ん?」
坂本「園部とゲーセン行くんだけど、
行かね?」
吉川「パス。おまえよくそんな余裕あるな」
浦井「もうすぐ期末だよ?」
坂本「一週間前からやれば良くね?」
園部「もうとっくに一週間切ってるけどな」
吉川「来週からだぞ」
坂本「じゃぁ、良いよー」
園部「一時間だけなら付き合ってやるよ」
坂本「さすが園部!行こ!」
吉川、浦井「いってらー」
浦井「二人も誘えば良かった?」
吉川「あの二人がいたら、
絶対勉強にならない」
浦井「言えてるかも……」
吉川「行こ」
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--浦井の部屋
クーラーの効いた涼しい部屋。
無言で勉強する二人。
浦井「ねぇ、ここなんでこうなるの?」
吉川「どれ?」
浦井「ここ」
吉川「貸して」
吉川「これ、途中から変な式入ってる。
ここは、ここからこの式が入る。
そうすると……。こうなるの」
浦井「あ〜。オレが変な式、
そこで入れてたのね。ありがとう。
そしたら、これも、違う。ってこと?」
吉川「そだね。それも、違う式入ってる。」
浦井「だから、
ずっと変な答えになってたんだ」
吉川「でも、もう分かったから大丈夫だね!」
浦井「ありがとう」
吉川「ちょっと休憩する?」
浦井「するー。」
床に座っていた吉川は
ベッドに座りなおした。
吉川「あ〜〜ぁ!」
背を伸ばす吉川。
バッ!
浦井が抱きついている。
浦井「いま、充電3%」
上に伸ばした腕を
浦井の背中にまわす吉川。
吉川「オレも充電しよー……。」
浦井「ひーくんは何%?」
吉川「10%……。」
浦井「オレの方が少ない……。ぎゅー……」
吉川「オレも少ないし。ぎゅー……」
バサッ
二人は力が抜けベッドに倒れ込んだ。
吉川「重い」
浦井「ひーくんの方が重い」
吉川「先に倒れたのおまえだろ」
浦井「充電中だから動けない」
吉川「オレも充電中」
エアコンの音だけが聞こえる室内。
浦井「ひーくん……」
吉川「ん……?」
浦井「夏休み楽しみ……」
吉川「その前に期末あるけどな……」
浦井「それは考えない……」
トントン、トントン……。
お互いの背中を優しく叩き合う二人。
二人はいつの間にか目を閉じていた。
--19:45
ガチャッ
浦井ママ「もう、2人とも
幼稚園児じゃないんだから」
二人にブランケットを掛け、
静かに部屋を後にする。
カチャッ
下に降りスマホを取り出した。
浦井ママ「もしもし?」
浦井ママ「今、ひーくん来てるんだけど、
ひかりと勉強中に寝ちゃったみたいで。
そのままにしといたけど良かった?」
吉川ママ「のんちゃんが良かったら、
そのままで大丈夫よ?」
浦井ママ「もうそのまま泊まらすわよ」
吉川ママ「いつもごめんね。のんちゃん」
浦井ママ「望(のぞみ)は、
相変わらず忙しいの?」
吉川ママ「冬までには何とかするつもり」
浦井ママ「わかった。
しんどかったら、ひーくん預かるから、
いつでも頼ってね」
吉川ママ「ありがとう。のんちゃん」
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二人は何も知らず
ぐっすり眠っていた……。
つづく
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