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第1話 潮の匂いは君との想い出
高校2年、4月。
新学期に心を弾ませながら学校まで足を進める。
新しい環境は、どうにも不安と期待で心がソワソワする。
(抑制剤、ちゃんと持ってきたよな)
僕、風宮律月は、一年前の高校入学と同時にこの海の美しい土地に引っ越してきた。
いや、戻ってきたと言った方が正しいだろう。
以前までここにある祖母の家に住んでいたのだ。
色々な事情で、都会の高校に通うことになったんだけど。
ふと、深呼吸をして耳を澄ましてみる。
海鳥の囀り、海面の煌めき、波音のさざめき。
僕はここが本当に好きだ。
なにより、潮の匂いはあの子のことを思い出すから。
昔、ここで仲良くしてくれた子がいた。
焦茶の髪色が似合う活発な子。
大切な友人でもあり、後ろ髪を引いてくるような存在。
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