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第11話 目眩
ゲイじゃない。
だから、男とセックスしたいなんて今まで一度も思ったことない。
全然。
これっぽっちも。
けど――。
「あっ、ぁ……」
今。
「うぅ……ンっ、ン」
この人とセックスしようとしてる。
「あっ……指っ、気持ちぃ……」
この人とセックスしたいって、思ってる。
「あ、あ、あ」
本棚に手をついて、尻を突き出すように前屈みになった状態で俺の指を咥え込んだ身体が、ビクンって跳ねた。
本当に気持ち良さそうに甘い溜め息を吐いて、こぼれ落ちるせつなげな声をあげて。
「ねぇ、なんで、准教授の準備室にローションなんてあるの?」
「あ、これは」
「アキ、の動画にここ出てたっけ?」
「出て、ない。さすがに、してない」
「じゃあ、なんで持ってんの?」
「っ」
教室で文学について語る、清楚で真面目そうな人がさ。
「ねぇ」
「っ、こ、れは……来る途中で買って」
「朝?」
「う、ンっ」
「薬局で?」
「あっ、ン、うンっ」
コクンと頷いた。
朝からローションを薬局で買う、やらしい准教授が、中を指で撫でられて、甘い声を上げてる。
その職業にぴったりなスラックスを下着と一緒に足元に落っことして、いつも、アイロンのかかった綺麗な白いシャツは暑いのかボタンをいくつか外してしまってる。指に喘ぎながら、何度も身体をくねらせるせいで、そのシャツが脱げかかって、肩が顕になってる。
「夜、また一人でするように、朝買ったんだ」
「っ」
真っ赤になった。
今、この人の中がキュンって、指を締め付けた。
「エッロ……」
「あっ」
ねだるように中がうねってる。
ねぇ、もっとセックスしてって。
「指じゃ、ディルドよりも細いでしょ。けど、気持ちいいんだ」
「う、ん、気持ちい……あ、人にしてもらうの、初めてっ」
「自分で腰振ってる」
「う、ん」
よく知ってる快楽のポイントへ擦り付けるように細い腰をくねらせてる。スマホ越しに見て細いと思ってた身体が目の前にある。スマホじゃ、よくわからなかった。ただ白いなって思った。日焼けのあとなんて一切ない白い肌って思った。
「あ、あ……そこぉ……」
「ここ?」
「う、ん」
けど、目の前でこうして見てみたら、その白い肌は快楽に色づいて、ほんのりと染まってる。淡い、ピンク色に。
「そこ、前立腺……好き」
痛い。したくてしたくて、今さっき出したばっかのはずなのに、もう、ガチガチで。
「気持ちい」
「ねぇ、指で満足した?」
「……っ」
「これで、満足した?」
中にも問うように、その好きだと呟いた前立腺を小刻みに撫でてあげると、本に向かって、甘い溜め息を何度もはいてる。
「もっと……がいい」
「……」
ゾクゾクした。この人の、この快楽に弱い、はしたない身体に。
「あ、佐久くんの……」
「っ」
姫宮さんが手を伸ばして、俺の、さっき、この人の顔にぶっかけた俺のそれの先端を手のひらで包み込むように撫でてくれた。それから指で作った輪っかで何度か扱かれて、痛いくらいに張り詰めてたそれがやばいくらいに思考回路をショートさせる。
「っ」
「佐久くん」
この人の中に挿れたいってことに、頭の中が占拠される。
この細い腰を鷲掴みにして、俺のをこの小さな孔にねじ込んで、何度もこの孔に――。
「あの……」
小さな綺麗なピンク色の、そこに――。
「佐久くんの、ください」
挿れて、奥まで全部。
「ここに」
そう言って、白い指が自分で後ろからその尻を見せつけるように、広げた。指を引き抜くと、切なそうにヒクヒクとしてる。
「ください」
ここにぶち込みたくてたまらない。
「エロすぎでしょ」
「あっ」
「声、抑えなくていいの?」
「だ、めぇ……声、ふ……ン、ん」
この人のここに挿れることしか、頭の中にはなくて。ただただ、この人とセックスすることしか、考えられない。
「あっっ、っ、っ」
ねぇ、とねだるように揺れるその腰を捕まえて、片手で抑えると、そのままガチガチに張り詰めて痛いそれを、その孔に当てた。
「あぁぁっ」
小さな口が開いて、そのまま俺のを飲み込むようにしゃぶっていく。
「あ、あっ」
細い腰も、ピンクに色づいた肌も、乱れてむき出しになった白い肩も何もかもが扇情的で。頭の芯が焼け焦げた。なんも、ちゃんと考えられてない。全然、今、頭、動いてない。
「あぁぁぁっ、っっっっ」
ただ、この人とセックスすること以外、なんも。
「挿れただけで、イッた?」
「う、ん、イッちゃった、あ、熱くて、気持ち良くて、出ちゃった」
「っ、エッロ……」
なんも考えられない。
「あぁぁっ、今、ダメっ、動いちゃ」
「腰、降ってるじゃん、自分から」
「あ、や、勝手になっちゃう、の」
「っ、やば」
中がうねって、搾り取るみたいにしゃぶりついてる。狭くて、きついのに、柔らかくて、熱くて。
「あ、あ、あっ」
「中、やばいよ。先生」
「あ、やだ、言っちゃ」
油断したら、本当に搾り取られそうなくらい、中の気持ち良さに翻弄される。頭がバカになる。
「あ、あ、あ、ダメっ、激しいっ、すごいっ……あ、あ、あ」
「ディルドと違う?」
「違うっ、全然、気持ち、い……すごいっ、あ、あ」
今、この人が気持ちいいっていうのと。
やばいって単語と。
「あ、あ、あ、イクっ、また、イク」
イきたいっていうのしか、頭の中になくて。
「あ、あ、イクっ、イク……イっ、ちゃうっ」
しがみついてた本棚から本が一冊、落っこちたのも構わず、ただ、この人の中を堪能することしか。
「あ、あぁぁあ、っっっっっ」
頭の中になかった。
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