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act:痺れ薬・略奪③

 まずは、第一段階終了――即効性のある薬だけど持続力がないから、もうすぐ切れちゃうんだよな。それを悟られないように、ここから俺が頑張らないとね。  リコちゃんの愛した躰が、どんなものなのか。自身で体感させてもらおうじゃないの。  気だるそうにしながら息を切らし、上だけワイシャツを着て下半身丸出しの哀れな姿を、ほくそ笑みを浮かべつつ見下ろしてやる。  二口しかコーヒーに手をつけなかったとはいえ、お薬をどばどば投入したから、相当効いてるっぽい。しろーとさんには、ちょっとばかりキツかったかもなぁ。  俺も飲んでるのに効き目を感じられないのは、飲み慣れてしまったせいか。 「ホントに大丈夫? 汗がびっしょりだね」  額のにじんだ汗を手の平で拭ってやると、気持ちよさそうな顔をする。  なるほど……母性本能を絶妙なタイミングでくすぐってくれるタイプだから、しっかり者のリコちゃんが夢中になっちゃったんだ。  ソファの上で倒れこんでる半身を起こしてやり、水の入ったペットボトルを手渡してあげようと目の前に差し出した。 「はい、どーぞ♪」 「あ、済まない……」  なかなか手を伸ばさない克巳さんの手に、無理矢理それを握らせる。 「さてはその顔、俺に飲ませてほしかったんでしょ?」 「いや、違っ」  ぶわっと赤面した克巳さん。隣に座り込み、乱れた自分の髪の毛をかき上げてから、背中を優しくさすってあげると頬を紅潮さたまま、どこか困った顔をした。 (わっかりやす~、素直な人なんだね) 「欲しければくれてやるよ? その水みたいにさ」  言いながら、克巳さんの着ているワイシャツのボタンを外していった。 「なっ、何をするんだ?」 「自分だけイって、俺はイかせてくれないの? それってフェアじゃないよね」  持っていたペットボトルを取り上げて腕を引っ張り、立ち上がらせると、寝室のある部屋に誘導する。  ――さぁ、第二ラウンドのはじまりだよ克巳さん――

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