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第33話
一通り、ゲームセンター内を歩き回り、百円のクレーンゲームを見つけたら、美智留が“これ。”と指差し、俺が、“それ。”を取ってやる遊びをし尽くし、今は、スーパー外のマックでハンバーガーを食べている。
「ポテト、食う?」
俺の財布は、もうすっからかんで、仕方がないから、美智留が出してくれるらしい。
「…。食う。」
確かに、楽しかったけど、それ相応に、お金も無くなってしまった。
俺は、アルバイトをしていないので、今度は、どうやって遊ぼうか、と、頭を悩ませてしまう。
ありがとうございました。
ごゆっくり、どうぞ。
そんな、店員さんの声と、受け取ったジャンクフードが乗ったトレーを手に、窓際の、隅っこ。
二人がけの席に着き、
「…」
「…」
取り敢えず、もぐもぐと、それぞれが頼んだ品を食し始めた。
「…」
美智留が、携帯電話を取り出して、誰かに連絡を取り始めたようで、
「……」
俺は、そんな美智留を真似して、携帯電話をポケットから取り出す。
美智留が誰かと連絡を取り合っているから、俺も、数少ない話し相手の、兄とのトーク画面を開く。
“お金、使いすぎないようにね”
どうやら、俺の行動は、兄に伝わっていたみたいだ。
はぁ。
溜息が出る。
確かに楽しかったのだけれど、少し、遊び過ぎたような気がする。
気がすると言うより、絶対にそう。
使い果たしちゃった
俺は、そう、返事を送った。
上手く親に伝えてくれば、また、少し、お小遣いが貰える。
美智留は、自分で働いて金を得ていると言うのに、俺は、まだまだ子供のような。
勉強に集中してるんだよ。
なんて言えるほども、頭脳は、宜しくない。
何と言うか、なんだか、渋い。
そう、渋いって、そう言う事。
「…ふぅ。」
そう言う事。
「ねぇ、美智留」
俺は、つい。
美智留に声を掛ける。
「ん?」
美智留は、もぐもぐ、と、食事で頬を膨らませながら、首を傾げる。
「バイトって、どんな事するの?」
俺は、ポテトをちょこちょこ摘みながら、こちらの目を見ている美智留の目に、ジト目を合わせ、疑問を掛ける。
「俺は、飲食店で働いてるから、飯作ったり、所謂、配膳の仕事したり、掃除したりかな。」
何だか少し、面倒臭そうに答える。
え?面倒臭いの?
何で。
そう思っただけで、俺は、美智留から目を逸らして、頷いた後、ふーん。と相槌を打っただけ。
「何?働きてぇの。」
何で、何となく、怒られてる感じがするんだろう。
別に、自立を目指す分には、褒められる以外に無いと、俺は、思うんだけれど。
「…、今日、お金使い過ぎたから」
しょんぼり。
まさに、そんな顔だ。
俺が、浮かべている、表情は。
「…。んな、すぐになんて貰えねぇけど?」
顎を少し上向きにして、自然と下がった黒目を俺に向けて、美智留は、疑問を返してきた。
俺は、ん。と声を詰まらせ、つい、また、小さく、溜め息を吐く。
そう言えば、学校側は、バイト禁止だったっけ。
じゃあ、やったら、俺は、怒られてしまうだろうな。なんて、
「……。」
逃げ腰と言うのか。
相当な感情、思いと言う事なのか。
美智留と居ると、時々、分からなくなる。
「美智留って、なんか、大人みたいだけど、どこか子供っぽいね」
だから、言える事は、それだけ。
美智留が、どんな人間だね。って、終わらせる以外に、踏み出すのは、正直、怖い。
「俺、最強じゃん」
ニ、と口角を上げて、美智留は、笑う。
笑えてくれたなら、それで良いけど。
俺は、安泰の道を辿る事にするよ。
なんて、それが、正しい事なのかは、あやふやになっているまま。
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