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前章:1

 黒く艶やかな髪を靡かせ、真っ赤に光る目と目が合う。宝石みたいできれいだと、アウレスは他人事のように男を眺める。 「百回抱かれて、それでも男の体が欲しかったら、そのときはお前の願いを叶えてやろう」  甘い声に下腹部がゾクっとする。白い頬に手を添えれば、男は手首を掴み手のひらを舌でなぞる。体が小さく跳ねる。 「……お前に俺を抱けるか」 「気になるなら、今ここで試してやろう」  男の目は真剣そのものだった。こんな自分を抱いて何になるのだろう。かつて自分の姿を見て興奮した男たちの顔を思い浮かべる。どれもこれも欲に塗れて薄汚かった。  しかし目の前の男は違う。欲を孕んだその目は湿っぽく、それでいて美しかった。自分とは真逆と言ってもいいその色に、アウレスは身を任せたくなった。  男はアウレスにキスをする。触れるだけのキスから舌を絡める深いキスへと変わるころ、男はアウレスの両手首をベッドに押さえつけ、さらに激しいキスをする。 「んっ、ああっ……!」  口の中を男の舌が蹂躙し、まともに息ができなくなる。酸素の回らなくなった頭で、どうしてこんなことになったのか、アウレスは考える。

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