2 / 24
前章:1
黒く艶やかな髪を靡かせ、真っ赤に光る目と目が合う。宝石みたいできれいだと、アウレスは他人事のように男を眺める。
「百回抱かれて、それでも男の体が欲しかったら、そのときはお前の願いを叶えてやろう」
甘い声に下腹部がゾクっとする。白い頬に手を添えれば、男は手首を掴み手のひらを舌でなぞる。体が小さく跳ねる。
「……お前に俺を抱けるか」
「気になるなら、今ここで試してやろう」
男の目は真剣そのものだった。こんな自分を抱いて何になるのだろう。かつて自分の姿を見て興奮した男たちの顔を思い浮かべる。どれもこれも欲に塗れて薄汚かった。
しかし目の前の男は違う。欲を孕んだその目は湿っぽく、それでいて美しかった。自分とは真逆と言ってもいいその色に、アウレスは身を任せたくなった。
男はアウレスにキスをする。触れるだけのキスから舌を絡める深いキスへと変わるころ、男はアウレスの両手首をベッドに押さえつけ、さらに激しいキスをする。
「んっ、ああっ……!」
口の中を男の舌が蹂躙し、まともに息ができなくなる。酸素の回らなくなった頭で、どうしてこんなことになったのか、アウレスは考える。
ともだちにシェアしよう!

