34 / 55

第11話 次の次の金曜日2 ★

 本物の夏伊が少し離れて、頭を撫でてくれた。 「具合が良くないのに、悪い」 「あ、いやそんな…」  こっちが悪いのに。  体を起こそうとするので、待ってと叫んで、夏伊の唇を奪った。何度かあわせると、それから、舌が入ってきた。  安堵感が全身に広がって、ふう、と息を吐く。  そうしたら、夏伊の舌が睦月の舌に絡みついてきた。  撫でるような、包むような動きが、とても丁寧だけどすごくいやらしい感じがする。 「ん、う」  手がシャツの中に入ってきた。睦月の胸に置かれる。 「心臓、すごくドクドクしてる」  手のひらで肌をさすられて、小さな粒を指の腹で軽くつつかれた。 「あ…」  くすぐったい…。  シャツが夏伊の動きに合わせてもこもこ動くのを見ていた。  おでこにキスされる。  顔を向けたら、また口付けられた。 「部屋に入っても?」 「…いいよ」  洗面所からタオルを借りて、睦月の部屋に入ると、正面の窓の上に額がかかっているのが目に入った。  前に麗さんが言っていた、ハーブの額装だ。  視線の先に睦月も気づいて、ああ、と声を出す。 「これ、いいな」  素直に褒めると、恥ずかしげにへへ、と笑った。  自分で脱ぐと言うのを無視して、睦月を立たせて服を脱がせていく。  肩口にあざを見つけた。 「どこかにぶつけたのか?」 「あ…。うん…」  そこに口付ける。 「ッ…」 「いくつかあるな。こけた?」  返事はない。  腰の方まで、目にした箇所すべてにキスをしたら、次は夏伊の服を脱がすと言って聞かないので、そうしてもらうことにした。 「元から大きかったけど、ほんとに身長が伸びたね」  いいなあ、体が大きくてとつぶやく。  かく言う睦月も、長身のヒロや夏伊と比較すると相対的に低いものの、平均的な身長はある。  今のはどちらかと言えば、自分の華奢さを指しているようだった。元から細っこかった体は、夏バテのせいか、肉を削いだようにあばらが浮いていて、痛ましさすらある。 「随分と…痩せたな」 「…そうかな」 「学校が始まったら、昼飯のチェックをするからな。しっかり食べろよ、食べないと大きくなれないぞ」 「それはそうだけど」  なんか、保護者みたいな言い方だねと笑う。  睦月を寝かせて、ハーフパンツを脱がす。 「連絡がつかないから、心配した」 「ごめん」 「謝らなくていい」  元気で良かったと言ったら、うん、元気だったよと笑った。  下着もずり下げて、緩く立ち上がったそれに近づいた。 「…あ! ダメダメダメ!」  風呂入ってないから汚いからそんなの。次々に言葉をぶつけられる。 「うるさいな」  ジェスチャーとして耳をほじって、一気に咥える。 「ううっ、ん!」  睦月が背中を反らす。  根本からじっくりと快感を呼び寄せて、上を丹念に舐め上げる。  先端をちゅる、と吸うと、一際大きくビクついた。 「はっ、は、あ、あ…」  体は緊張でもうガチガチになっているのに、足をどうにか閉じようとするのが邪魔で、膝を担いでやった。  また深く含むと、抵抗する気力が失せたようで、力なく夏伊の動きに合わせて揺すられる。 「…気持ちいい…。うっ、あ…」  へなへなの力の入ってない声で、素直な感想を上げるのが、なかなか良い。  ジェルのパウチを開封して指に取る。小さく窄まった後部に、ゆっくりと触れた。  そこに触れられた瞬間、体がガチンと硬直した。 「…どうした」  夏伊も異変に気づいたのか、様子を伺ってくる。 「どうも、してない」  生唾を飲み込んだ。 「大丈夫か? 気分が悪い? 止めるか?」  夏伊はニヒルだし意地悪な言い回しをする時もあるけれど、やっぱり、とことん優しい。手慣れてるのを優位に見せつけることもない。さすがセフレがいっぱいいるだけあるな…。  状況と関係ない事を考えて、自分の体を無理矢理脱力させる。 「…ふう」 「やめようか? 飲み物持ってこようか」 「ううん、いい。ちょっとビックリしただけ」  だから大丈夫と何回か言ったら、なら…と、指がそこを撫で始めた。  これは…夏伊の指だな、と思う。動きが丁寧で、ゆったりと探ってくれる。  キスを重ねながら、ぐっと指が入ってきても、もう体は固まらなかった。 「夏伊」  口付けながら名前を呼んで、手を肩に置いた。 「睦月」  夏伊の顔が上気しているのを見て、ほっとする。大丈夫、おれは問題なくできている。それに気持ちいいから、大丈夫。  指が二本、三本と増やされて、中の一番たまらないところを押されてから、全体的にも押したり撫でられたり、抜いて深く入れてをされて、もう下の感覚しか追えなくなってきて、心の中でよしと思った。  下半身が全部じわじわと熱くて、なんだかよくわからない痺れに襲われる。今までより、より時間をかけて触れられていて、体が鋭敏になっていて、 「どうしよう」  夏伊に助けを求めたら、どうしようか? と質問が帰ってきた。  夏伊だってそんなになってるくせに、なんて意地悪な奴だろう。  でもそんな奴を傷付ける奴は許さないと決めた。そしておれも強く生きていかないといけない。 「もうしたい…」  清風と同じように、 「後ろからがいい」  体を返して、背中を向けた。

ともだちにシェアしよう!