2 / 10

第2話

山の空気を吸い、高山植物のスケッチや写真撮影を楽しんだ後、僕は下山を始めた。 ところが、その途中で、予報よりも早く雨が降り出した。 ぽつ、ぽつ、と落ちていた雨粒は、あっという間に勢いを増していく。 風も強くなり、霧まで出てきた。 ……これは、まずい。 視界が悪くなり、このまま下山するのは危険だと判断した。 一晩、様子を見たほうがいい。 僕は雨風を凌げそうな場所を探し、少し開けた場所を見つけると、そこにテントを張った。 今夜はここで過ごすしかない。 幸い、食料も水もある。明日の朝、天候が回復してから下山すればいい。 そのときの僕は、そうするのが一番だと思っていた。 テントを叩く雨音を聞きながら、僕は眠りについた。 明日の朝には、きっと晴れている。 そう思いながら……。

ともだちにシェアしよう!