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市川先生×夏樹(第27話)

 何時間気絶していたのだろう。  寝かされていたソファーから跳ね起きた時には、もう後始末は全て済んでいた。身体は隅々まで綺麗にされていたし、衣服もキチンと着せられている。  もっとも腰の痛みだけは尋常ではなく、飛び起きた瞬間ズキズキした痛みが走ったけれど。 「よう、夏樹。起きたのか?」  ソファー近くのテーブルに目をやると、市川がいつもの爽やかな笑みを向けて来た。聞き手にはフォークを持ち、崩れかけたいちごのショートケーキを口に運んでいる。 「あっ……」  白い生クリームを見た瞬間、一気に羞恥心がこみ上げてきた。  夏樹は手近にあったクッションを掴み、感情のままに市川に投げつけた。 「ぶっ! な、なんだ? 夏樹、どうしたんだ?」 「『どうした』じゃないっ! なんであんなことしたんですかっ! いくらなんでもやりすぎでしょ!」 「あんなことって……あ、柚月先生のこと言ってるのか? ごめんごめん。柚月先生にはいろいろ世話になってるから、ちょっと断りづらくてさー……」 「それじゃなくてっ! ……い、いや、それもですけど! あの生クリーム使ったプレイのことですよっ! どうしてくれるんですか!」  思い出すだけで顔から火が出そうだ。  股間に生クリームを塗りたくられ、その上からカミソリで丁寧にシェービングされ、その上ツルツルになった部分をいやらしく舐められる。  おかげで下着を穿いてもどこかスカスカして落ち着かず、見るまでもなく大人の毛がなくなっていることが丸わかりだった。恥ずかしいことこの上ない。

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