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ビックリしたよ
「雅君、雅君!」
「へっ?あっ、凛君。」
僕がぼ〜ッッと颯斗君の事を考えていると凛君が僕の名前を何回も呼んでいた。
「西園寺(さいおんじ)君と凄く仲がいいんだね。親戚だからかな?」
「西園寺・・・・あっ、颯斗君。」
苗字で呼ぶ事がなかったから忘れていたけれど西園寺颯斗という名前だった。
「西園寺君は学園内でも人気があるから気をつけた方がいいよ。親戚とかは広がってるけれどやっぱり敵意を剥き出しにしてくる生徒はいると思う。」
「敵意・・・凛君。気をつけるよ。」
きっと皆んなが僕を冷たい目で見ていたのは颯斗君と一緒に居たからなんだと思った。
「僕はビックリした。だって、西園寺君はいつも冷静なんだよ。柔らかな口調で話しをするのに雅君には違うんだね。」
「颯斗君はいつもあんな感じだよ。」
「やっぱり親戚だからなのかな?心を許している感じがした。」
僕は凛君が言ってる事が理解出来ないでいる。
親戚という設定だが颯斗君とは血の繋がりがないし心を許してくれているのかも分からない。
僕は他の生徒の方が颯斗君に優しく接して貰えて羨ましいと思ったんだ。
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