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第12話
そんなこんなの話し合いをしていると、遠慮がちにノックの音が。
「はい、どうぞ。」
「失礼します。」
と、ガタイのいい男達がゾロゾロと入ってくる。
うわー、ガテン系だよー。
この人達…あ、もしかして…
「すみません、ご家族のみでと伺ってたんですが、どうしても最後のお別れがしたくて…」
と差し出された名刺には、守が勤めていた会社の社長さんの名前が。
この声も昨日、電話越しで聞いてて記憶があった。
「お忙しいところ、わざわざありがとうございます。
みなさん、守のお勤め先の?」
「はい、こいつらも 守…守君を息子や弟みたいに可愛がってたんで…
この度は突然のことで…私らも何と言っていいやら、ショックが大きすぎて…」
五十嵐さんの方を向いて
「ひょっとして、瞳ちゃんのお兄さんですか?
ああ、目元が似てらっしゃる。
瞳ちゃんも本当にいい子でした…。」
「二人とも、お世話になった皆さんに最後にお会いできてうれしいと思います。
どうぞこちらへ。」
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