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第16話
どこから連絡がいったのか、守達の友人や知り合いと名乗る人達がひっきりなしにやってきて、焼香をしていった。
守が出ていってからの数年間、誰とどんな付き合いをしていたのかは わからないが、こんなに大勢の人に惜しまれる人間になっていたなんて。
俺も五十嵐さんも、これからのことを考える余裕もなく その対応に追われながら朝を迎え、気が付くと、あっという間に全てのことが終わっていた。
まだ実感がなくて、式場にいた間の記憶もはっきりしない。
ただ、小さな骨壷と、凛と五十嵐さんの存在が、守がこの世から居なくなったことを教えてくれていた。
凛はずっと手を煩わせることもなく、俺達のいう通りに大人しくしていた。
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