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第17話
「とりあえず、俺のうちへ行きましょうか。
ここから近いので。
これからのこともしっかり話し合わないと。」
五十嵐さんの言葉に甘えて、途中必要な食材等を買って彼のマンションへ。
モノトーンの洒落た家具、清潔なキッチン。
一人暮らしには広すぎる部屋。
さすが経営者、セレブだな。これで恋人がいないなんてもったいない。
いやいや、余計なお世話だな。
凛も珍しいのかキョロキョロしている。
先に風呂をどうぞ と勧められ遠慮なく凛と順番に入り、上がってきた頃には もう、夕食の用意ができていた。
「美味い!」「おいしーい!」
昨夜コンビニ弁当を食べたきりで空っぽの胃が、元気を取り戻す。
箸の休む間も無く、次から次へと口に運び、皿はあっという間に空っぽになる。
生きてると、腹って減るんだな…
そういえば、どこかで聞いたことがある店名だと思っていた彼のレストランは女子社員の間でも有名だったよな…
完全予約制で、一日ひと組限定。
こだわりの食材と技術を駆使したその料理は、超セレブ達の御用達で、数年先まで予約で埋まっていると。
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