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第20話

翌日 報告と挨拶を兼ねて、三人で保育所へ行く。 園長先生も保育士さんも優しそうな人達でホッとした。 そのまま凛を預けて、守のアパートへ向かった。 玄関やリビングには家族三人の笑顔の写真立てが。 壁には、凛が描いたであろう絵が飾ってあった。 どこにでもある、どこにでもいる家族の部屋。 ただ、凛を愛した両親がどこにもいないだけ。 引越し業者が来るまでに、荷物をどんどん仕分けて片付けていく。 ひと家族分の整理は大変だったが、俺は大学時代 引越しのアルバイトで慣らした腕を活かして、 五十嵐さんも要領良く 二人でスピーディーに作業を進めていった。 俺は本棚の本の整理をしていたが、何気なくその中のいろんな資格試験用の問題集をパラパラめくると、蛍光ペンでマーカーを引いたり、書き足した部分がびっしりで。 なんだ、勉強嫌いだったくせに ちゃんとやってるじゃないか。 問題集に紛れて、表装がすっかりボロボロになった 本を見つけたが、それはどこかで見覚えのあるものだった。

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