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第21話
そっと開くと、それはアルバムだった。
亡くなった母さんが、守がまだ家を飛び出す前に 俺には茄子紺一色、守にはブルーと白のストライプの表装を選んで、まとめてくれたものだった。
持ってきてたのか…
こんなにボロボロになるまで、どんな思いで…何度も何度も、何度も見返したのだろう。
その時々の思い出がフラッシュバックしながら、片付けのことをすっかり忘れて ずっとめくっていくと、最後のページには、すっげー笑顔の俺達家族四人の写真があった。
その写真を見た瞬間、なんとも言えない思いが強烈に襲ってきて、俺の目から涙が一筋こぼれ落ちた。
「相沢さん?」
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