44 / 516
第44話
「……ない……」
はい?
「『ない』って…」
智はプイッと顔を逸らして
「言葉通りだ。『ない』」
「だってお前…結婚してたなら、女にさせたことあるんじゃねーの?
付き合ってた男だっていただろうが。」
智は俺をキッと睨むと
「女とはヤッたことねーよ!未遂だ…女は抱けない。
周りから結婚急かされてさ、どうでもよくなって、見知ってる女は嫌だから、仕方なく見合い結婚したんだけど…新婚初夜で勃たなくて、それから何度か抱こうとしたけど1ミリもダメだったんだ!
…まあ、それが直接の原因で離婚したんだけど。
男とは…
付き合った奴は何人かいたけど、セックスはできなかった。やっぱりダメだったんだ…
俺…EDかも……」
智は、『ヤバい、言ってしまった』 という顔をして、頬を朱に染めて視線を反らせる。
おい、なんだよ その顔。すっげー色っぽいじゃねーか。
え….前も後ろもどっちもバージン?まさか…
ん?ということは…
「お前…まさかのDT……
でもお前、EDなわけねーぞ。今ガッチガチに勃ってたじゃん。
タラタラ美味そうな汁垂れ流して…
そんで俺の口ん中にドクッっと出し…」
「うわーーっ、言わないでくれっ…恥ずかしすぎる…」
智はますます真っ赤になって両手で顔を覆う。
んー、かわいい。
その仕草、腰にクるっ。
「なにそれ?俺だけに反応したってこと?
ということは…俺のこと特別に思ってるってことだよな?
なあ、智、俺、自惚れていいか?
お前も俺のこと愛してるって。」
ともだちにシェアしよう!