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第45話

智は一瞬ハッとしたが、上目遣いで俺を見つめた後、 「バカッ」と一言呟いて、布団に潜ってしまった。 うっわーーーーーっ!ツンデレかっ⁉︎ なんだ、このかわいいイキモノはっ! 惚れた男が、まさかのDT! これは、これは…人生逆転満塁ホームラン! 俺色に染めて、俺の愛撫でしかイケないように仕込んでやる!! 妙な使命感に燃えた俺は、このかわいくて愛おしい恋人の愛し方をあれこれ瞬時に妄想した。 そうだ、やっぱり初めては『優しく』しないとな。 俺は布団に潜り込んだ智の背中からギュッと抱きしめ、耳元で囁いた。 「バカにしたんじゃないぞ。 すっげーうれしかったんだ。好きな人の初めてを全部もらえるなんて、嬉しい。 …一緒に気持ちよくなろう。」 そのまま耳朶を はむはむと甘噛みする。 耳朶からうなじへ唇を滑らせて、あちこちにキスの雨を降らせる。 喉元と同じように、時々強く吸い付いては うなじや肩甲骨のあたりにも俺の所有の証を刻んでいく。 その間も智は、口元を覆いながら、んふっ、んふっ と甘い声を抑え、迫り来る快感を耐えているようだった。

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