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第111話

そしたらあの女が、横取りするなって。 俺が犯されて滅茶苦茶になってるビデオをお前や会社にばら撒くって。 あいつらには… 口ん中に突っ込まれて……しゃぶらされた。噛み付いてやったけどな。 胸…乳◯と、あと…パンツの上から…撫でられた… 脱がされて…股がられたとこで… お前が…助けに…来てく…」 最後の方は嗚咽交じりで、言葉になっていたかどうか… 言い終わる前に翔に抱きしめられた。 「ごめん、ごめん、智、ごめん! もう、二度と辛い目にも嫌な思いも、絶対にさせない! だから、俺のこと嫌いにならないで!」 俺のことを抱きしめながら、翔が震えている。 重ねた頬に俺のものではない涙が伝った。 翔?泣いてる? 嫌いになる?翔のことを? 逆じゃないのか? 「翔……」 俺も震えながら翔を抱きしめる。 触れ合う素肌が熱い。 「智……」 お互い泣き濡れた目で見つめ合った。 どちらからともなく唇を重ね、角度を変え息をするのも忘れるほど貪り合う。 熱い吐息が肌に触れ、そこからまた新たな熱を生んでいく。 あぁ、俺はこの美しくて傲慢で、男前で、割と泣き虫で、心優しいこの男に、身も心も奪われてしまった。 吐き出す欲は実りはしないけれど、心から愛する者のために全て差し出そう。

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