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第118話
課長にも電話しとかないとな…今の時間なら大丈夫か。確か、課長の予定は…移動中か?
会社直だと周りに人がいるとマズいし、携帯に電話することにした。
「はいはーい、相沢君、大丈夫かい?」
いつものほのぼのトーンの声が耳に響いた。
「課長っ!本当にありがとうございましたっ!
今、お時間大丈夫ですか?」
「ああ、車内で俺一人だから大丈夫だよ。ちょっと待って、車停めるから。
はい、お待たせ。
五十嵐君から あらあらっと聞いたけど、大変だったね。でも、無事で本当によかったよ。
顔の腫れはどうだい?一応、君は『おたふく風邪』で出勤停止だからねー。治るまで出てきちゃダメだよ。」
電話の向こうで笑い声が聞こえた。
その声に温かいものを感じて、ちょっと泣きそうになった。
「はい、課長のお陰で…本当に助けていただいてありがとうございました。
顔はまだ腫れてますけど、大丈夫です。
凛までお世話になって…。
なんてお礼言えばいいのか…」
「今回は俺のぼんやりが役に立ったようだな。
五十嵐君は君のいいパートナーだね。大事にするんだよ。
凛ちゃんもいい子だ。今度みんなで遊びにくるといい。うちのが凛ちゃんを気に入ってね。
まあ、ゆっくり充電して、元気になったらバリバリ定時まで働いてもらうからね、よろしく。」
「えっ、定時…」
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