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第144話

堪らず吸い付くと、 「あんっ」と、智が更に甘い声をあげる 初めて身体を重ねてから、ほぼ毎日かわいがってきたそれは、俺の愛撫に嬉々として答え、コリコリに尖ってきた。 舌先をその粒の穴に当てて押し潰し、吸い付いてはまた尖らせる。 乳輪を舌でなぞりながら、ちらりと智の顔を見上げると、潤んだ瞳がゆらゆらと情欲に濡れる、その視線とぶつかった。 俺は虐めたくなる誘惑にかられ、口の端でにやりと笑うと、尖りきったそれに歯を立てて噛み付いた。 「はぁぅっ!ばかっ、痛いっ!」 涙目の智に頭をポカポカと殴られながら、今度はわざと舌先を見せるようにして、噛み付いたそこを そっと舐め上げる。 「優しくするって…言ったじゃないか…」 突然の痛みにポロリと涙を一筋流して、智が抗議する。 「ごめん、あまりに美味しそうで、つい」 赤く色付いた粒から離れ、智の涙を人差し指で辿り拭い取り、耳朶を弄る。 目尻に溜まった涙を舐めてキスをしようとした。 が….俺の頬をぱしんと叩いて、 「意地悪するなら、このまま出て行ってくれ。 俺は…『優しいの』って伝えたはずだ。 痛いのは…怖いし嫌なんだ。」 部屋の空気が一気に冷めた気がした。 本気で怒った智は怖い。

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