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第169話
俺は少し時間をずらして食堂に向かう。
人も疎 らなこの時間帯は、群れたくない俺にとって、一息つける貴重な時間だ。
翔の作ってくれた弁当を広げると、目でも楽しめるようにと配慮してくれているのがわかって、顔がにやけてしまう。
んー、美味い。翔、ありがとう。
午後からも頑張れるぞー!
感謝しつつ食べていると、ふっと目の前に人影が…
「相沢さんですよね?はじめまして…かな?僕、二課の西條です。」
『ほんわか』という形容詞がぴったりの美少年風の『西條君』は、ふにゃんと笑って自己紹介をした。
「ええ、相沢ですけど…俺になにか…
あっ、片岡課長の紹介のっ!!」
「はい。相席いいですか?」
「ええ、どうぞ。」
席を勧めて一緒にメシを食うことにする。
「うわー、相沢さんのお弁当、めっちゃ美味しそう!
愛妻弁当ですか?
僕もこんなに作れたらいいのに…」
「愛妻というか、愛夫ですけどね。
よければ味見しますか?」
「えっ、いいんですか?ではお言葉に甘えて…
うっわー、おいしーーーい!
これ、絶対教えてほしいです!」
感動しきりの西條君は、僕のは恥ずかしいな… と、もごもご言いながら自分の弁当を出してきたが、いやいや、あなたのも大したものですよ。
「西條さんのも美味そうじゃないですか。
これは、あなたが?」
「はい!相沢さんのお弁当とは比べ物になりませんが…」
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