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*第299話

くったりと俺に身体を預けて大きく息を吐く晃星の背中を撫で、頭を撫でてやる。 そっとその身体を横たえ、ずるりと俺自身を引き出すと、あんっ、と甘い声を上げて縋るような目で俺を見つめる。 汗で張り付いた髪の毛を撫で上げ、キスを一つ。 お互いの身体に飛び散った愛液をティッシュで拭き取り、俺が吐き出したものを指で掻き出してやる。 晃星は恥じらいながらも、俺のなすがままに身体を任せじっとしている。 守りたい、愛おしい存在。 全身を朱に染めた晃星を抱きかかえると、風呂場へと向かった。 頭からつま先まで。シャンプーやボディーソープで全身を洗う。 もう一度俺が吐き出した後孔の中も丁寧に洗ってやった。 晃星は黙っておれがすることを見ている。 二人ともきれいになったところで抱きしめたまま湯船に浸かった。 「ごめん…俺、暴走した?」 「………」 「ごめん…」 きゅうっと晃星が抱きついてきた。 「謝るならするな。乱れろといったのはお前だ。」 「…うん。めっちゃ色っぽくて綺麗だった。 あんなの見たら、もう、止まんないよ。」 「…ばか。」 「また、色んなこと…しような? なんたって妄想溢れるヤりたい盛りの二十代だからな!」 「…お手柔らかに…イロイロと…?」 二人で顔を見合わせて笑った。 今日も、抱き合う俺達を月が見ていた。

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