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第397話
俺を羽交い締めにしてた奴に肘鉄を食らわせて、川崎氏から携帯を引ったくると
「智っ!智?どうしたっ?返事しろっ!!
凛!凛!俺だっ!翔だっ!
今の音は何だ?智は?智どうしたんだ?」
『しょーーう!たすけてぇ!
さとしが、さとしがぁーー!!』
凛の泣き声混じりの悲鳴に
「智がどうしたんだ?何が起こってる?」
『さとしがたおれたっ!かおまっしろで…いきしてないよぉーーー!
しょう!たすけてぇ!うわーーーーーーん!!』
「わかった!今救急車を呼ぶから!
待ってろ!すぐ行くっ!」
周囲がざわめく中、中谷事務次官が飛んできた。
「どうしたんですか?何があったんですか?」
「こいつらが俺の伴侶に変な電話しやがって、ショックで倒れて、息をしてないって…
早く救急車を呼ばなきゃ…」
「私にお任せ下さい。ご自宅ですね?おい、佐々木!」
テキパキと指示をすると
「さあ、早く!病院へ直行しましょう!」
俺は座り込んで震えている川崎に言い放った。
「単なるイタズラじゃすまないぞ。
智に何かあったら…お前を殺す。」
「川崎、古谷。私が戻るまで待機してなさい。
わかりましたね?」
事務次官が言い残し、俺を連れて公用車へ向かった。
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