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第396話

side:翔 やっと、やっと帰ってこれた。 ラ◯ンもしたし、もうすぐ家に帰れる! 本当に一週間は長かった。もう、限界だ。 チェックも終わり、そろそろ解散という雰囲気で、俺は携帯を取り出し、智に電話しようとアドレスを呼び出した。 途端に横から携帯を奪われた。 何? 同行していた秘書官の一人、川崎氏だった。 「何するんですか?返して下さい!」 それにも構わず、彼は揶揄うようにくすくす笑いながらスピーカーにしてタップすると、ワンコールであの懐かしい声が聞こえた。 『翔?今どこ?』 「すみません、私一緒に同行していた秘書官の川崎と申します。 先程五十嵐さんが事故に遭われまして…」 『えっ?どういうことですか?怪我は?翔は無事なんですか?今どこですかっ?』 焦った智の声。 「ちょっと、あんた、何言ってんだ?いい加減にしろっ!」 取り返そうとしたが、後ろから羽交い締めにされた。 「何だよっ、離せって!!お前ら何やってんだっ!!」 暴れ狂う俺の怒鳴り声に何事かと徐々に人が集まってきた。 「いや…それが…大変な状態で…」 『…そんな…… バタァーーン きゃーーーーーっ!さとしぃーーっ! さとしっ!しっかりしてぇーーーーーっ!!』 凛の悲鳴が辺りに響き渡った。

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