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第395話

何とか元気を取り繕い迎えた結婚式前日。 やっと…やっと翔が帰ってくる。 『家で待ってて』と言われたから、翔の言う通りにご飯を作って待っている。 日本と言えば和食。和食と言えば寿司でしょう! 海苔もちょっと高級なものにして、具材も海鮮物を中心にたっぷり。 あー、待ち遠しい…もう、空港に着いたかな… ラ◯ンの着信音! 慌てて携帯を手に取ってスライドした。 『今着いたよ。もうすぐ帰る。 早く会いたいよぉー! 智、愛してる』 ハートを抱えた変なキノコが添付されていた。 なんだよ、このスタンプ。 センスゼロだな。 おかしくて笑いがこみ上げてくる。 あと少し…あと少しで…会える。 時間が経つのが遅い。時計止まってない? やたらそわそわと落ち着きのない俺に、凛が 「さとし、すこしおちつきなさいよ。 はい、ここにすわって!しょうは、ちゃんとかえってくるから。」 と手を引っ張ってソファーに座らせた。 「ごめん…なんか落ち着かなくて…」

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