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番外編:バレンタイン・キッス⑧

もう…とか、ホントに…とか嫌がる素振りをしながら、俺だって… 前はギンギンに勃って、とぷりと汁が垂れてるし、蕾に至っては早く入れて欲しくてひくひくと蠢いているのを自覚すると、かあっと全身に熱が広がる。 俺の様子に気付いた翔が手の拘束を外しながら言った。 「智…もう、我慢できない…ね、ココも…いいよね?」 返事をする間もなく、あれよあれよという間に、腰の下に枕を押し込まれ膝をかぱっと広げられ、少し苦しい体勢のままヒクつく蕾に冷たい感触が… 「ひぅんっ!翔?何やって、ああっ」 獣と化した夫の頭が股間に埋まり、クリームごと蕾に舌を出し入れしているのが見えた。 「やだっ、翔…くふっ…んあっ」 零れ落ちた甘い声に煽られて、翔がますますその動きを加速する。 イキきそうなのに翔に根元を押さえられて射精感が下半身で渦巻いている。 「…いやぁ…意地悪しないでぇ…翔…お願い、イかせてぇ…」 ぽろぽろと溢れる涙を止めることもできずイヤイヤと首を左右に振り、腰を揺らめかせて両手を伸ばす。 その手を掴み、顔を上げた翔は怖いくらいに美しくて… 鼻先にキスを一つ落とすと、怒張した切っ先を待ち焦がれて蠢く蕾へと突き進めて… 「うー…胸焼けする…もうしばらく甘いものいらない…」 「俺も…。お前が変なこと仕掛けてくるからだろ? ばか。スケべ。エッチ。しばらく禁欲生活するから。」 「えーーっ。ごめんなさい。もうしません。だから許して?」 相変わらずバカップルな俺達は、バレンタインデーもやっぱりバカップルに相応しい時間を過ごしたのだった。

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