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新たな旅路
「あらー!みんな久し振り」
「相変わらずお綺麗ですね。彩芽さん」
「ありがとう!せいちゃん。あなたも相変わらず男前ねぇ!」
あれから随分と年を重ねたのに相変わらず綺麗な彩芽さん。
今日は朝陽さんの記念パーティー。
気付けば芸歴30周年を迎えた。
朝陽さんは相変わらず人を惹きつけ止まない…
つい先日、息子の陽向が式をあげた。小さな孤島で身内だけの式…さくらは今身重で来れなかった。
だから心配性の陽向とかえでも欠席だ。
未だに周りから口説かれ続けているさくらが心配でたまらないのだろう
「久し振り。星夜」
「お久しぶりです。蘇芳さん。天音さん。美陸」
「星夜さん!大好きです!」
「はいはい。わかったわかった」
「もう…俺本気なのに…」
「ごめんな。俺には愛する妻がいるから」
二人の子供である美陸(みおか)は初めてあったときからこんな感じ…
「みー。お前も諦め悪いな」
「だぁって母さん!運命の人だって思ったんだもん!」
「星夜くんはだめ!」
「みーちゃん!お姉さんが相手してあげるわよ」
「げっ…彩芽姉さん」
「ん?げっ…って何かしら?」
「…なっ…何でもないです…」
「そう?」
彩芽さんが黒いオーラを…纏ってる…怖…
「せーいくーん」
「朝陽さん。挨拶終わったの?」
やって来た朝陽さんを抱き締め頬にキスをする
「せいくん…みんないるのに…」
「え?今さらでしょ?」
「もう…」
相変わらず照れ屋な朝陽さん…可愛い…
「朝陽さん。星夜さんを俺にください!!」
「だめ。せいくん無しじゃ僕は生きていけない」
「もう…」
「本当に…美陸はぶれないな…」
「…あ…すいません…」
「大丈夫…で…す…」
あ…美陸が固まった…これは…
「こらぁ。はしゃぐからだぞ!すいません…」
「桔梗くん。お久しぶり…でもないか…」
「あははっ。相馬さん。いつもお世話になってます」
「こんにちは。撫子」
「こんにちは」
「撫子…なーちゃん!」
「え?え?何?え?」
「なーちゃん!好き!」
「あ…美陸…撫子に…」
「一目惚れだね…」
撫子は莉音さんと桔梗さんの子供。よく女の子と間違われるけど男の子。今日もどうみても男の格好だけど…女の子に見える…
「あ…あの…僕男です…」
「え?そうなの?」
「なので…好きとか…言われても…あ。別に偏見とかはないんですよ?うちの両親も男同士ですし。でも僕は…ごめんなさい!女の子が好きです」
「可愛い顔して…これは…」
「それなのに…僕は…男の子に告白されてしまう…」
「…」
そりゃそうだろう…女の子より可愛い顔してるんだ…女の子は隣に立ちたくないよね…
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