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新たな旅路 12

風呂から出た美陸は所在なさげに立ち尽くしていた 「こっちこいよ」 おずおずと近付く美陸。 「僕お風呂入ってくるからご飯準備しておいたから食べな」 静かに頷くと椅子に座る。その姿をみて風呂に向かい急いで出たらさっきと同じ姿勢のままの美陸 「あれ?食べなかったの?」 「一緒に…食べてくれる?1人…寂しい…」 不覚にも少しだけかわいいと思ってしまった。 気のせいだと自分に言い聞かせながら食卓に座る。 二人で食事を食べ、片付ける。 またそわそわし始めた美陸をソファーに座らせ紅茶を出す 「これ…」 「あぁ。父が言ってたから。あなたがこれが好きなんだって。で父が用意してたもの」 「そっか」 「飲んだら?落ち着くんじゃない?」 こくりと頷き口をつけるとたちまち幸せそうな柔らかい笑みを浮かべた… ドキッ… また高鳴った胸に手を当てる。そんなわけないから… 「で?これまで何があったの?どうしてこんな半端な時期に転校してきたの?」

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