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新たな旅路 15

美陸side 撫子さんは本当に理想の人だった… この人の側に行きたい… あの人たちからどうにか逃げ出したい… あの人たちは… 「みーおーかー」 「どしたぁ?今日は上の空じゃん…」 「あの…あっ…」 「なぁに?」 「俺…家庭の事情で…転校することになりました…だから…も…あっん…」 「そうなの?」 「…あっ…あ…んっ…」 「そっか」 腰を振りながら男が空を仰ぐ 「残念。」 俺に執着があるわけではないのはわかってた。 「また会ったら相手してね?あ。でもこれまでのこと他に話したらだめだよ?わかった?ね?美陸。ここに君のやらしい姿は残ってるんだから…」 立場上これが公に出るのはあの人たちの方が不利。でも…俺は誰にも話さない…始めは嫌だったことも今では自ら腰を振るほどに淫らになってしまったのだから… 「父さん!俺なーちゃんのとこにいきたい!!」 「あぁ。転校?」 「うん。」 「好きにするといいよ。確か転入試験あるはずだから…」 翌日にはその試験を受け合格。転校は問題なく進んだ。 「美陸。座って」 「ん?」 「…何かあったんでしょ?ずっと…気付いてた…よ」 「なぁーんにもない!母さん心配することない。」 「おいで」 母さんに腕を引かれ部屋に。母さんは鍵をかけた。 「脱いで」 「え?」 「いいから脱げよ」 母さんの怒気を含んだ声…あまり聞かないから…恐怖が… 「早くしろ」 仕方なく服を脱ぐ… 「いつから…いつから…こんなこと…何で…お前まで…」 「まで?」 「…俺もこの時期だった…転校したの…同じこと…されてた…もう随分と昔のことでこんな風習無くなったんだって…ごめん…ごめんね…美陸…すぐに助けてあげなくてごめん」 そして涙する母… 「…違うよ!母さん。俺がおねだりしたの。でも飽きちゃったし…だから離れたかったの。助けてなんて思ったことないの。ごめんね?節操なしで…」 「みー…」 「母さんの心配することなんて何もない。ただ俺がなーちゃんといたいだけ」 どうにか母を説得して大事にはならなかった。 そして… 「もう…こんなことやめたかった…だから拒否してたんだけど…俺は…あまり力がある方ではないから…身ぐるみ剥がされちゃって」 「笑って言うことじゃないでしょ!!」 なーちゃんは俺を抱き締めてくれた… 「我慢しなくていいから。これからは俺が守ってあげるから。だから…無理に笑わないで」

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