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新たな旅路 34

「おはよう。果林」 「おっ!今日も二人仲良く登校か!いいなぁ。おい」 「かーくん?何かあった?」 「は?」 「ん~…誰かに告白されたとか?」 「え?何で?」 「ん~…雰囲気?よくわかんない」 美陸が何をいってるのかよくわからない。告白?そんなの果林は毎日のようにされてる。それを改めて問う理由なんてある? 「果林は毎日されてるよな?」 「あぁ…まぁね。でも…今回はあまりにも驚きすぎてさ。まさかの人からだったから」 「そうなの?誰?誰?」 「部活の先輩」 「あぁ…乙矢さん?」 「え?何で…?」 「随分と前からお前に好意寄せてたじゃない?気付かなかったの?多分…あの日は既に好かれてたよ?」 「へ?あの日?」 「…うん。お前が部活の先輩たちに…あの…」 「あぁ!俺と撫子が初めて話したとき?」 「そうそう。」 「そうなの?全然わかんなかったよ」 「そう?」 「どんな人?ねぇねぇ!」 「ん?男らしくてカッコいい人。背も高くて筋肉質で選手としてもかなり優秀だし頭もいい人」 「え!見たい見たい!今日部活見学しに行っていい?」 「別に構わないけど?」 「やったぁ!!楽しみ」 そして部活の時間。金網の外から練習に励む果林たちをみつめた 「かーくん…別人みたい…凄くかっこいいね」 「あいつ一年の時からレギュラーだしね。あぁ見えて凄く努力家なんだ」 「そっか」 果林を見つめる美陸のキラキラした視線に何となく嫉妬した 「お疲れ。果林」 「もうすぐ部長くるよ」 「うん。ねぇねぇ。かーくん!」 「なぁに?みおちゃん」 「スッゴクカッコいいね」 「ありがと?撫子よりカッコいい?」 「…それは悩むなぁ。なーちゃんはカッコいいけど可愛いし」 「それ誉められてる?」 「うん!俺の一番はどのみちなーちゃんだもん」 「はいはい。惚気はやめてぇ」 「おーい!浦部!戻ってこい!」 「あ。来た。あの人だよ。部長さん」 「うわぁ…本当に…カッコいいね…」 「だろ?だからさぁ。意外すぎたのよ。んならばごゆっくりねぇ!」 走って戻る果林を見送って練習を再開した姿をみつめた 「…なんかさぁ…お似合いだよね」 「うん。僕は果林はずっとあの人のこと好きだって思うんだけどね」 美陸が呆れた顔をしていることに気付かなかった。

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