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お正月
陽向&さくら&かえでside
「久しぶりの日本…」
本当に久しぶりだ。楽しい思い出も苦い思い出も沢山沢山あったなぁ。
さくらとかえでに恋をして失恋もしてもう一度向き合って交わって…そして今こうして俺たちの子供がいて…
「ひな。ひーな!!」
「おーい!ひなー」
多くの日々を思い返していたら愛しい人達が俺を呼んだ。
「はっ!ごめん!!久しぶりで色々思い出しちゃってた…」
「別にいいけどぉ?」
「ひーちゃーん…」
そして小さな手で俺の手をつかんで小さな天使が心配そうに見上げていた。日和と目線を合わせるためしゃがむ
「んー?どうしたの?日和」
今日は数年ぶりの帰国。日和が生まれてからは初めてでとても不安そうだ。そんな日和をぎゅっと抱きしめて頭をなでる
「大丈夫だよ」
日和を抱き上げてあげると頬擦りしてきて…うん。可愛い…
「おつかれー!」
「おひさしぶりです。かなたさん」
「星夜くんたちは仕事だから一先ずうちにおいで」
父の高校時代の保健医でもあり、父の親友の遥さんのパートナー
「まぁたそんな薄着して!もう若くないんだから気をつけないと」
そして愛しい俺の奥さん達のママ。相変わらず美人さんだなぁ。かえでにそっくりだ。
「そうだねぇ。気をつけるよ。ありがとう。日和さん。こんにちは」
「かなちゃん!」
日和が小さな手を伸ばした。
「はじめましてだね。じぃじですよぉ」
「じぃじ?違う。かなちゃん!かっこいいねぇ」
「あはは!ありがとう。」
テレビ電話はよくしていたけど実際会うのは初めてで人見知りの日和が心配だったけど大丈夫そうだ。
かなたさんの車に乗り込んでわいわい騒ぎながら帰宅すると相変わらず大きなお屋敷。
「遥は仕事してると思うけど覗きに行く?」
「いく!」
作曲家である遥さんの仕事している横顔がすごくかっこいいんだ。
久しぶりに見た姿は相変わらずでさくらにそっくりだ。
真剣な表情に釘付けになる日和の視線に気付いたのか遥さんがこちらへやってきた
「やっほ。あけましておめでとう!日和ぃ!かわいいなぉ!陽向に似てるねぇ」
「遥ちゃん!」
「おう!覚えてくれたかぁ。嬉しい!抱っこさせてぇ!」
遥さんが手を広げるとすぐに日和がむかう
「うわぁ。子供ってこんなに重たかったかぁ。うんうん。元気だあ!」
「かなちゃんと遥ちゃんみたいなカッコいいじぃじたちがいて日和は幸せ者だね!」
「お。日和ぃ!そんな言葉いつ覚えたんだぁ!?嬉しいこと言ってくれるじゃん!お年玉奮発しなくちゃ」
それから少しして俺の両親もやってきて久し振りの家族団欒を楽しんだのだ
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