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第9話
華陵院先輩とは少し話したことはある。
入学して間も無く生徒会に入らないかと声を掛けてきた。
生徒会役員は各学年成績上位者が勤めることが暗黙の了解だった。
何度も言ってくるのを断り続けると渋々諦めてくれてそれ以来話したことはない。
何度も断るものだから会長の幼馴染みでもあり、
現副会長である学園の王子様、神楽坂 十夜にはかなり毛嫌いされている。
神楽坂先輩はこの学園の理事長の孫に当たる。
モデルの仕事もしているので実は昔から俺は彼を知っている。
見た目は王子様と言われるくらいのことはあり身長は俺と同じくらい。腰まで伸びたさらさらの黒髪を1つにまとめ後ろに流している。切れ長の目は何もかも見透かしているように光っている。
誰にでも厳しくも暖かい言葉をかける面倒見のいい人だ。そんな人が毛嫌いするくらいなのだから俺の態度は相当燗に障ったのだろう。
華陵院先輩と神楽坂先輩が並ぶととても絵になり王子と姫と言われても違和感はない。
おそらく相思相愛であると思う。
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