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第21話

そんなに前からファンでいてくれているなんてとても光栄だ。 完璧なこの人が俺をずっと見てくれていたなんて。そういうものには全く興味がないかと思っていたから 「僕がこの仕事に就いたのは貴方に会えるかもしれないと思って一縷の望みに賭けたんだ。わざわざ入ったのに貴方にに会えなければ傷つく結果になってたのもわかる。でもどうしても会いたくて。どんなに傷ついてもいつか貴方に出会えると信じればどんなに嫌な事も乗り越えられる。そう思ったから。気持ち悪いよね?」 「別に気持ち悪くなんかないよ。こんなに可愛い人に思ってもらえるなんてとても光栄だ。でも他に方法は無かったの?どんなプレイをされるのかもわからない。酷い抱き方をする奴だっている。そんなところに転がり込むなんて自殺行為になるかもしれなかったのに。君の家なら他の方法なんて見つけられただろ?」 「え…家の事知ってるの?何で…」 あ…しまった…つい言葉にしてしまった…今ここにいるのはキャストの陵であって花陵院 朝陽じゃないのに…でも一旦溢れた言葉は取り消し何て出来なくて…目線を宙に彷徨わせた。 「あ…っと…君と同じ学校に双子の弟がいて弟から君の写真見せて貰って名前も聞いていたから…なんかごめん…」 「そういう事か…」 「だから入ってきた時に驚いて固まって…」 「そっか…だとすると僕が年齢を偽った事も…」 静かに頷いた 「騙してごめん…こういうところは今の状態じゃ入れないからつい…店には…」 「言うつもりはないよ。だから安心して」 「騙してまで貴方に会いにきた事軽蔑しますか?」 「しないよ。嬉しかったから…でも俺が言うのもなんだけどこれが終わったらもう辞めなよ」 「…でもここじゃないと貴方に会えない…」 大きな目に涙を浮かべ俺を見る。 「他の奴に君を触らせたくない」 「…でも…」 「ちょっと待って」

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