72 / 690
第72話
「今後はなずなさんの分まで僕を愛して下さい」
「はい」
本当に怖いのはこれからなのかもしれない
「なずなさん。不満はありますか?」
「ないです」
「じゃあ後は保科さんお願いします。今後どうなっても僕らは知りませんからこれからのことは自分の気持ちと行動次第でしょうね。なずなさんを愛しているならやること沢山出てくるでしょ。うまくいくといいですね」
「あぁ。私の出来る事をして行く。ただそれだけだ」
「一旦これでこの件は終わりって事で一先ず握手でもしたら?せいくん。なずなさんと」
言われるままに握手する。なずながこれから幸せになる事を祈りながら
時間も随分経ったので帰宅することにした。保科さんに送ってもらい近くの公園で降ろしてもらう。
朝陽さんに腕を絡められ歩き出した
「せいくん。まだ何か怖い?」
「いいえ」
「僕はやっぱりせいくんがいなきゃ嫌だ。話聞いても離れたいというより支えたい。一緒にいたいと思う方が先だった。残念だけど君のこと大好きみたい」
「残念?」
「君が思うより僕は君に夢中で簡単に放してあげられないよってこと。別れるとか言われちゃったらそれこそ閉じ込めちゃうかも」
「えっ。それは怖いですね。…まぁ別れてあげる気ないですけど」
朝陽さんが急に恥ずかしくなったのか真っ赤に染まって行く。耳まで赤く染まり俺を見上げる
「なんか…ボクかなり偉そうに…恥ずかしいことみんなに言っちゃったよね?」
「今更ですか?俺は嬉しかったですよ。いつもより男前でした」
「なずなさん幸せになって欲しいな。きっと本当は悪い人では無いから。ただ愛し方を間違っちゃっただけ…なんかね僕と似てるって思っちゃった…僕がなずなさんの立場なら同じことしていたと思う」
ともだちにシェアしよう!