125 / 690

第125話

大きく息を吐く稀城の横顔は晴れやかだった 「遥さん。ありがとうございます。 俺…遥さんの歌、デビュー前から凄く好きで…だから今本当に嬉しいです。 あのときはどうしても遥さんの歌が歌いたくて歌いたくて…スマホ拾って貴方だと解ったとき舞い上がるくらい嬉しくて…どうしても…どうしても一緒に仕事がしたかった… やり方を間違えてしまい、とても後悔しました。 …わかってたんです…あんなに無理に作らせた曲を俺達が歌うなんて間違っていることくらい… 曲を殺してしまうことくらい…でも…必死でした…」 隅田は黙って聞いていた。 「でも相馬さんに改めて言われて何か…俺…」 「稀城さん。ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。また貴方のために書けたら歌ってくれますか?」 「はい!!もちろんです!宜しくお願いします」 稀城はこれからもどこまでも歌を届けていくのだろう。 世界中に認められるような歌を

ともだちにシェアしよう!