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第127話

「朝陽くん。君と相馬くんでファション雑誌のモデルの依頼がきてるんだ」 「ファッションモデル?」 「今度新しく立ち上がるブランドの専属モデルの依頼なんだが…」 「すいません。専属は出来ません。土門さんもご存知でしょ?La nuit étoilée。せいくんのブランドです」 「そうだよなぁ…どうしても朝陽くんってあの人聞かなくてさぁ…あぁ依頼してきたの俺のカメラの先輩なんだけどね。何度断ってもわかってくんなくて…」 「ちなみにどんなものですか?サンプルとかあります?」 「取ってくる。待ってて」 持ってきてもらったのは白を貴重としたこだわりが詰まっているであろうコートだった。確かに朝陽さんの姿からよく映えるだろうと思う。だが… 「あの…土門さん…これ土門さんイメージして作られているんじゃないですか?これ朝陽さんの体型ではバランスが…」 「だよねぇ…やっぱりそう思うよねぇ…」 「土門さんがすればいいのに…」 「引退してるしねぇ」 「でもこれはあなたじゃなきゃ無理だと思いますよ。試しに着てみて下さい」 渋々着用する土門さん。やはりイメージぴったりでおそらく土門さんをモデル復帰して欲しくて作られたのだと思う。 それを朝陽さんにと譲らなかったのは土門さんが見付けた人だから。土門さんがダメなら代われる人は朝陽さんしかいないから。 朝陽さんに重ねて見えたのはこの人の影だったんだと今更ながらに思う。

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