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第133話
入院も一日ですぐに戻ってきたカイは申し訳なさそうにしていた。
「星夜。ごめんね」
「お前は何も悪くないだろ」
「でも…大丈夫だった?」
「なんとかなったよ」
「そっか。良かった。見せてくれない?」
「はい」
「この子って…確か俺のサイン会来てくれた子だ。珍しく男の子のファンだったから見覚えある。いつも一緒にいる子いない?」
「これ?」
「そうそう。その子。めちゃめちゃ可愛いよねぇ。この子欲しい」
カイは可愛いものが大好きだ。
「物じゃないぞ」
「わかってるけどさぁ…一緒に…」
カイは女装癖がある。宮部は確かに似合いそうだが…
「見た目のわりにアホだし本人かなり嫌がるよ…あ…でも今度文化祭で女装喫茶するって言ってたな…」
「それ行きたい!!拝みたい!!いつ?一緒行こう!!」
「行かないよ」
「だって母校じゃん。行こうよ!」
「母校とはいえあの格好で登校してたから…」
「じゃあじゃあお前の彼女連れてったら良いじゃん。朝陽くんも卒業生でしょ」
言い出したら聞かないカイを断るのは無理だと察する
「朝陽さんが大丈夫だったらな」
「連絡しよう!!今ここで!さぁさぁ」
「わかったから煩い」
朝陽さんはとても嬉しそうに了承した。
仕事も大学もしっかりこなしその日を迎えた
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