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第164話
「星くん。お帰り」
「ただいま」
テーブルには食事が準備されていた。
俺の好物ばかりだ
父は元々料理が好きで小学校まではどんなに忙しくても食事を作ってくれていた
「もうすぐくるみさんも帰ってくるから先に食べちゃお」
俺好みに味付けされた飯は懐かしかった
「ただいまー」
タタタッと小走りでかけていく父さんは相変わらずだなぁと思いながらまた箸を進めた
「くるみさーん!おかえりなさーい」
「ただいま」
結婚してもう随分とたっているのに相変わらず仲が良くて見ているこっちが恥ずかしくなるほどだ
腕を組み仲良く戻ってきた二人を見ながら苦笑した
「星ー!食べられてる?」
「うん。相変わらずうまい」
「良かったね。煌さん」
「うん!嬉しい」
えへへと子供のように笑う父とそれを見つめている母の柔らかい表情。二人とも仕事では絶対見せない顔だ。
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