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第192話

眠る朝陽さんを残し神楽坂先輩の部屋に行く 朝陽さんより多く薬を飲んでしまったのかまだ目覚める気配はなかった 悠紀さんによれば薬の量もだが精神的な面が大きいとのことだった 綺麗な顔で眠る神楽坂先輩の頰には涙の跡が残っている 何度も眠りながら涙を流しているそうだ 夢の中で美那さんと会っているのかもしれない 先輩がこんなになるなんて想像もしていなかった 先輩ならすぐに切り替えられると思っていた いつも何にでも完璧な人だったから でも先輩だって1人の人間。 苦しそうな顔に自分まで胸が締め付けられる 恋人が…朝陽さんが同じようにいなくなってしまったら俺は自分ではいられないだろう どんな言葉をかけても先輩の傷を癒すことは俺には出来ない 俺は側にいるだけ。話を聞くことだけしか出来ない 自分の無力さに愕然とする 「先輩。早く起きてください…」

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