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第201話

仕事が終わりカイの車でカイの行きつけのバーへたどり着く。 VIP席に案内され向かい合い座る 「星夜。俺。引退する」 何となくそんな気がしていた 「そろそろ若いやつらに譲らないとな」 「わかった。長いこと一緒に頑張ってくれてありがとう」 固く握手した。 カイとのつき合いはもう20年くらい経っていた。 お互いまだ幼い頃から一緒にやって来た同志だ 「でもさ。星夜と離れる気はないからこれからも面倒みてね」 いつものカイが笑っていた 「わかった。お前の面倒見れる人限られるしな」 「そゆこと」 ヘラっと笑ったカイは先を見据えていた いつものカイは一瞬だった。 カイはもう一度真顔になりいつもより低い声で囁く 「てかさ。星夜。俺のものになれよ。俺のことを好きになってくれなくても良い。朝陽くんを好きなままでいいから」 「お前…何の冗談?」 「冗談じゃないよ。本気で。だって星夜の面倒見れるのだって俺くらいでしょ」

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